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カテゴリーアーカイブ: USC

Ether – Road to the Sky [USC-WR-1411.0235]

 Ether - Road to the Sky [USC-WR-1411.0235]

 – Tracklist –
 01. Eternal Flight (Introduction)
 02. Distant Rainbow
 03. Night Sky (Sampling Version)
 04. Railway Line
 05. Magellanic Clouds
 06. Night Sky (Synth Version)
 07. Eternal Flight (Outroduction)



 - 04. Railway Line


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 Release Date : 2014.11.25
 Label : USC (United Studios Corporation)

 Keywords : Ambient, Chill Out, Electronica, Melodic.


 Related Links :
  ≫ ether on VK (VKontakte) (※Only logged in users)


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以前にもSilk Roadを紹介した、ロシアのプロデューサー、etherことAlexey Sirotkinの作品です。前作と同じくロシアのレーベル、USC (United Studios Corporation)よりリリースされています。Internet Archiveからはフリーでダウンロードできますが、bandcampやKroogiからは購入も可能です。今回の紹介にあたって、ehterのVKを知ることができましたが、ログインしているユーザーしかプロフィールを見ることはかなわないようで、あいかわらず素性はよく分からないままです。

作品ごとにしっかりテーマ設定がなされているのが、彼のこれまでの特徴ですが、今作も例にもれずです。Commでは宇宙、“Silk Road”ではそのままシルクロードを、というのがこれまでのテーマですが、今作は“空”というのが、テーマになっているようです。前作に対して、次は深海をテーマにしてほしいとか書きましたが、はたして願いはかなわなかったわけで、そこはちょっと残念ですが、でも今作もすばらしいので文句は言えません。

“Silk Road”では、オリエンタル、エスニックな音色やフレーズが散見され、また悠久のランドスケープをイメージさせる音像が印象的でしたが、今作にそういった部分はあまり感じられません。やはり作品ごとに作り分けがなされているようで、職人的な気質を感じます(だからたぶん、サウンドトラックとか手がけたら、上手に作るんだろうと思います)。しかしいわゆるピュアなAmbient/Droneのような、線形のレイヤーで浮遊感を演出するような、ありきたりな作りにはなっておらず、サンプルボイスやリズムも効かせたトラックを作ってくるあたりが、一味違います。

シネマティックな音空間に漂う深遠で神聖な空気は、空に対するわれわれ人間の思いの深さと畏敬の念をあらわしているようで、ときにとてもロマンチックに聴こえます―このあたりは、リリースページにある一文、“we are way too weak to break free from the ties of gravity of our planet. Nevertheless, despite of all, we are going on dreaming.”に通じるものを感じます。 派手派手しさもなく、キャラクター性もないサウンドだけれど、だからこそ空間や脳内のイメージに馴染む(ストレスをかけない)という側面もあって、ここに心のリズムをシンクロさせることができれば、気持ちよくチルアウトできることでしょう。

個人的に好きなのは、中盤から終盤にかけての流れです。ドリーミィなDowntempo‘Railway Line’、朝焼けのアブストラクトな空にピアノが光を射す‘Magellanic Clouds’、ひるがえって尖ったシンセとリズムが走る‘Night Sky (Synth Version)’、そして悲哀を込めたドラマチックなレイヤーに星々の瞬きのようなシンセがちらつく、哀愁の‘Eternal Flight (Outroduction)’。よいです。ジャケットイメージもグッド。タイミング的にInterstellarを彷彿(メモラブルな映画でした)。


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Composed by Ether.
Synthesizers, programmed, sampler, written and arranged by Alexey Sirotkin.
Photography «Mars 2099» by Julien Girard courtesy of ESO.
Logo design by Alexey Sirotkin.
Artwork by Anna Riet.
Dedicated to a very dear person.

(CC) by – sa 4.0



Eugene Naumenko – Reversion [USC-WR-1401.0201]

 Eugene Naumenko - Reversion [USC-WR-1401.0201]

 – Tracklist –
 01. Помни (Remember)
 02. Реверсия (Reversion)
 03. Однажды (Once)
 04. Паранойя (Paranoia)
 05. Домашние огни (Home Lights)
 06. Живой мир (Live World)
 07. Между нами (Between Us)
 08. Париж без тебя (Paris Without You)
 09. Пепел (Ashes)



 - 05. Домашние огни (Home Lights)


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 Release Page :
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 Release Date : 2014.01.16
 Label : USC(United Studios Corporation)

 Keywords : Ambient, Classical, Electronica, Piano, Melodic.


 Related Links :
  ≫ Eugene Naumenko on Jamendo


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ロシアン・ネットレーベル、USCより。Eugene Naumenkoの作品がフリーでリリースされています(bandcampからは購入も可能ですし、mainのリリースページからはCDのオーダーもできます)。2013年にも同レーベルから1000 лет(1000 Years)をリリースしていますが、そちらに続いて2作目となります。

ClassicalとはいってもPiano一辺倒ではなくて、ストリングスやシンセを活かした多層感のある音作りになっていて、凛とした空気の中にも情感がにじんでいます。そのあたりがどこかフラット―漂白、無色的な意味で―な聴き心地だった、前作とは異なっている部分かと思います。

広い空間をただよう鍵盤は、記憶のまたたきのようで。そこにある冷たい温もりは、いつかの思い出を呼び覚ます。ストリングスの優雅な調べは、思い出につきまとう後悔を押し流し、リスナーの中には、清々しいほろ苦さだけが残ります。

一番好きなトラックは‘Домашние огни (Home Lights)’です。雪解けの水のような、冷たく光るイントロからスローダウンして、遠くに花火の音が聴こえてくる。聴こえてくるPianoはいつしか、我が家を目前とした旅人の心持のような、安心感、安堵感をたたえたものに変化している。ふいに終わってしまうのがちょっと残念だけど、花火の演出も相俟って、作中でも特に余韻を残します。

‘Однажды (Once)’もよいですね。映画のラストシーンのような、清々しさと切なさが同居したサウンドは、とても好きです。作り手がどのようなシーンをイメージしたのかは分かりませんが、私の中には、とても切ないシーンが見えてきました。たとえばそう、事情があって仲間(恋人ふくむ)の元を離れていた男が、ようやく彼らのところへ戻るシーン。でも男がいつもの場所(たまり場的な)にたどり着いたときに、目に映るのは、自分がいなくても、何ら変わらぬ日常を送っている仲間たちの姿で。結局、男は、恋人や仲間と顔を合わせることもなく、その場を去り、何処かへ旅立つ。コートのポケットに手を突っ込んで、肩を丸めて歩き去る、男の口元にはさびしそうな笑み。とても青臭いんだけど、青臭いから、そうせざるを得ない。そんなラストシーン。

というように(?)、とても風景的、情景的なサウンドが収められています。目を閉じてヘッドフォンで聴きながら、想像の翼がはばたくのに任せるのもよし、記憶の中で過去に舞い戻って、ほろ苦さを味わうのもよし。もちろんシンプルに音の響きを楽しむのもよいと思います。気に入った方は、前作“1000 лет(1000 Years)”にも、耳を傾けてみてください(下に1曲、貼らせていただきます)。個人的なことですが、もう少しだけでもElectronicaの方向に傾くと、もっと好みのサウンドになりそうな予感がします。



 - Жди меня (Wait for Me)


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All instruments programmed, keyboards played, sampler, music written and arranged by Eugene Naumenko. Tracks 8 & 9 are bonus tracks. Artwork by Evgeniy Tkachenko.



(CC) by – sa 4.0

Ether – Silk Road [USC-WR-1309.0171]

 Ether - Silk Road [USC-WR-1309.0171]

 – Tracklist –
 01. Intro (Leaving Their Native Shores)
 02. Pristine Way
 03. After Sunset
 04. Valley of Rogue
 05. Outro (Crossing the Last Frontier)



 - 02. Pristine Way


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 Release Date : 2013.09.13
 Label : USC

 Keywords : Ambient, Electronica, Ethnic, IDM, Melodic.


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ロシアンレーベル、USC(United Studios Corporation)より。EtherことAlexey Sirotkinの新しい作品がフリーでリリースされています。2003年から開始されたプロジェクトのようですが、リリースは今作と、ちょうど1年ほど前に同レーベルからでたComm以外、見あたりません。Web上に個人のスペースも見つけられず、詳しい情報は得られませんでした。

パッと聴き、Ambient/Droneのような気配なんです。M-1の出だしなど、とてもピュアなトーンのレイヤーがゆらめいていて、その朝露のような透き通ったイメージに、思わずウットリしてしまうほどなんだけど。聴き進めると、どうもそうではない。雄々しいリズムや、Ethnicな声部がやがて聴こえてきて、もっと(ある意味で)壮大な風景が描かれている。

タイトルがまさに作品の内容に直結していて、今作はそのまま“シルクロード”を表現しているのでしょう。そのワードには馴染みがあれども、詳細となると、私も何となくしか覚えていません。Wikipediaによれば、“中国と地中海世界の間の歴史的な交易路を指す呼称”ということですが、学術的な面では、“東西関係だけでなく南北関係も含めた中央アジアの交易路としてシルクロードを理解すべきであると考えられている”ようです。まあ、それはさておき、今作はジャケット画像にも表れているように、さながらその交易路の旅路を音像化したといったところでしょうか。

おおらかで、どこか太古的なイメージも秘めたメロディは、ときにノスタルジックに響く。作り手の意図とは離れるかもしれないけれど、ファンタジックなRPGのワンシーンを彷彿させるときもある。どこまでも広がる大地と、見渡す限りの空。道を行く一行を迎える、雄大な自然(もちろんそこには厳しさもあるわけですが)。風の気配さえ感じられそうだ(実際M-2では風の音が聴こえてくる)。旅路というやつが持っている浪漫が、見事に音に表されていて、巧みだなあと思います。ところどころでオリエンタルな楽器の音色も聴こえてきたりして、よりいっそう異国情緒が醸されている。インパクトは強くないんですが、作品から立ち上るイメージが好きで、思わずリピートして聴いてしまいます。

前作でもやはりNew AgeをまぶしたAmbient/Electroniaな作風だったけれど、あちらはコズミックな雰囲気が印象的だった。そちらも素敵な作品なので、下に1曲貼りつけておきます。お聴きください。サウンドはそのままに、作品にあわせてキッチリ描くイメージを変えることができるのは、やはり才能なのでしょう。宇宙やシルクロードといった、いわば自然をテーマに据えることが多いようですが、とくれば、次は深海をテーマにして、やって欲しいですね。



 - Cosmic Railway Line (from Comm


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Composed by Ether.
All instruments programmed, music written and arranged by Alexey Sirotkin.
Cover photo by Land Rover in the Middle East and North Africa.
Logo by Alexey Sirotkin. Artwork by Anna Riet.


(CC) by – sa 3.0



One Day of February – The Supernatural [USC-WR-1212.0130]

 One Day of February - The Supernatural [USC-WR-1212.0130]

 – Tracklist –
 01. Evolution
 02. Blindness
 03. Falling
 04. High Sea
 05. Insul
 06. Our Fight
 07. The Supernatural





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 Release Page* = pay what you wish.) :
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 Release Date : 2012.12.20
 Label : USC (United Studios Corporation)

 Keywords : Breakbeat, Electronic, Emo, Melodic, Metal, VGM.


 Related Links :
  ≫ One Day of February on Last.fm / on VK (VKontakte) / on PROMODJ / on Kroogi


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2005年から活動しているロシアのレーベル、USCより。One Day of FebruaryことAlexander Minchenkovの新しい作品がフリーでリリースされています。以前にもこのブログでDrill Recordsからの“Observers”を紹介したこともありますが、それ以降の作品はほぼ、このUSCからリリースされているようです。みてみると、今作の前にも“Uncharted”、“The City of Devils”、“Another”をリリースしており(録音時期は前後しているが、いずれも2012年のリリースだ)、多作な様子がうかがえます。

この作品については2012年の録音であるとアナウンスされているので、少なくとも現時点で、もっとも新しい作品であることは間違いない。そして正直にいうと、“Observers”の印象が頭にあった私にとっては、今作は意外だった。初め聴いたときには、同名の別人かと疑ってしまった。湿った調子で、幻想性のあるElectronica/Downtempo/IDMといったサウンドは、ここにはない。

代わりにここにあるのは、シンプルでMelodic、そして雄々しい、Electronic musicだ。疾走するリズムの力強さ、輝かしいシンセサイザーの音色、愁いを秘めながらも開放感のあるメロディ。私が感じたのは‘Emo’のような清々しさと、VGM(Vedeo game music)のような反復性と、その気持ち良さだったりするんだけど、リリースページにはこんな言葉があった―‘Electronic Metal’と。

なるほど確かに、言い得て妙だ。アグレッシヴなリズムとドラマチックなシンセフレーズ、カッチリしたサウンドの輪郭、そこから立ち上る中世を舞台にしたファンタジーのようなイメージは、Metal的な様式美を感じさせる。私は聴いていて、ビデオゲーム“悪魔城ドラキュラ”(Castlevania)シリーズの音楽を想起したりもしたんだけど、その遠因にはMetal musicのエッセンスもあるだろう。

“Uncharted”や“Another”では、かなりMetalの方向に傾倒している様子があるんだけど、この“The Supernatural”は、もっとストレートな、つまりMetalのスタイルに固執しない、MelodicなElectronic musicになっているように思う。ここにある鼓舞的なパワーは頼もしい。3Dモデリングされた人間が立ち上がろうとしているような、このジャケット画像は、意図的かどうか、ここにあるサウンドに見事にマッチしている。輝かしく、力強いその音像に耳を澄ませば、どこからか、活力が湧いてきはしまいか。いざ勝負。闘いへ。

近作ではこのスタイルしかみせていないので、今後はこれが彼のスタイルになっていくのだろうか、その点もあわせて、気になるミュージシャンです。気に入った方は他の作品も是非。


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Composed by One Day of February.
All instruments programmed, music written and arranged by Alexander Minchenkov.
3D modelling by Steve Johnson. Artwork by Mike Winchester and Anna Riet.


(CC) by – sa 3.0



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