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カテゴリーアーカイブ: BFW recordings

Mikk Rebane – Particles [BFW243]

 

 – Tracklist –
 01. Hotel
 02. Seewald
 03. Giordano
 04. Mime
 05. Pickles
 06. Chopper
 07. Contested
 08. Purple Shade
 09. Particles
 10. Ambivalent



 - 01. Hotel


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 Release Date : 2014.03.07
 Label :

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM, Melodic.


 Related Links :
  ≫ Mikk Rebane on SoundCloud / on bandcamp


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エストニアのプロデューサ、Mikk Rebaneの初作です。イギリスのネットレーベル、BFW recordingsからリリース(余談ですがこのレーベルは私の中で勝手に優良レーベルに認定してます)。243番目ということで、思えばけっこうな数のリリースですね。設立は2009年で決して老舗ではありませんが、安定したクオリティのリリースをコンスタントに行っていて、非常に安心感のあるレーベルのひとつです。万が一なくなったときは惜しむ声が方々から出るでしょう。

さて、今回のリリースは、私の中ではビューティフルIDM/Electronicaという位置づけ。M-1を試聴して、ダウンロードを決めました。穏やかに跳ねるリズムたちと、ゆるやかにうねるシンセティックなレイヤー、そして不規則なようでいて、メロディをたたえて浮遊する電子のメロディ。これらの要素がフィックスされたサウンドは、まさに私のストライクゾーンを打ち抜くものです。

冷たく柔らかいメロディはアーティフィシャルで、しかし不思議なぬくもりがあります。レイヤー状にトラックが重ねられているので、一見複雑な聴き心地にも思えますが、メロディを中心に据えているのと、意外にリズミックな作りになっているので、小難しい顔をして聴く必要はありません。単純に音楽的快楽がありますし、積極的聴取を促すに十分なメロディが流れています。

ジャケットイメージにある冷たい印象の景色は、サウンドのイメージにピッタリに思えます。どことも知れない景色は、現実から離れたある種の逃避を感じさせますし、クリスタルライクな透明感はどこかドリーミィですし、人の手の入らない―人の手を離れた、打ち捨てられたような物寂しさ、冬枯れのような景色は、冷たくも情緒を感じさせます。

出色はやはりM-1‘Hotel’でしょうか。点在する電子音によって幾何学模様の音像が形作られていくさまはスリリングで、しかもその中にメロディを宿しているところがまた、すばらしい。途中で差し挟まれるシンセのレイヤーも意表をついている。M-2‘Seewald’の、ストリングスシンセのような音色が跳ねる、コズミックなタッチもよいです。そこはかとなく、エレガント、そして冷たく美しい。‘Pickles’にある、エレクトロニック・バブルな幻想感もよい。

Ambientな浮遊感、包容感(そしてShoegazingなレイヤー)の中にノスタルジックなメロディがディレイする‘Purple Shade’も好きです。明滅する電子音とせわしくなくゆらめくシンセレイヤー、4つ打ちリズムが記憶を走らせる、メモリー・ラッシュなタイトルトラック‘Particles’も面白いですし、各トラックがしっかり立っているんですが、全体のまとまりはくずれていないという、良作。

最近違う方向を掘っていたので、こういった音を積極的に探せていないこともあるかもしれませんが、少なくとも聴いた中ではずば抜けたクオリティ。電子の海面、あるいは電子の宇宙。いざダイヴ―


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Produced and mixed by Mikk Rebane.
Mastered by Eero Muiste.

(CC) by – nc – nd 3.0



Poodleplay Arkestra – Developments In Calligraphy [BFW209]

 Poodleplay Arkestra - Developments In Calligraphy [BFW209]

 – Tracklist –
 01. An Array Of Astral Hula-Hoopers
 02. Ochre Landscape
 03. Charcoal Sunflowers
 04. Developments In Calligraphy
 05. The Laughing Pigeons Of Venice



 - 01. An Array Of Astral Hula-Hoopers


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 Release Date : 2013.08.26
 Label : BFW recordings

 Keywords : Acoustic, Ambient, Electronica, Melodic.


 Related Links :
  ≫ Poodleplay Arkestra on Facebook / on bandcamp / on YouTube

  ≫ Poodleplay Archetype on bandcamp


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イングランドのネットレーベル、BFW recordingsより。マンチェスターのプロデューサ、Poodleplay Arkestraの新しい作品がフリーでリリースされています。彼のレーベル初期のころからリリースを重ねていて(初リリースはカタログ番号“BFW003”だった)、今作で通算5作目。すっかりレーベルの看板アーティストのひとりになっています。

ギターやストリングスなどのAcousticなインストゥルメンタルに、ささやかな電気的処理を加えた、WarmlyなAmbient/Electronciaが彼のスタイル。もともとメロディを生かした音作りをする人で、それは今作でも健在。美しく、ドラマティックなサウンドスケープを堪能できます。これまでに比べてどこか輝かしいイメージがあるのは、使われている音色や、エフェクトのせいかもしれません。金属的な音色(シンギングボウルっぽい。この辺りは過去作にもみられるWorld musicの要素につながる)や、エレクトロニクスを感じさせるエフェクトが散見されて、空間・余白を生かすというよりは、音の鳴りや響きを生かした音作りになっているように思います(そういう意味では近作の“Theory Of Colour”の系譜に連なるか)。

M-1を聴いて感じた音数の豊富さも、印象的でした。目の前の空間に花が咲き乱れるような、カラフルなイメージが広がります。ゆるやかなリズムの上を流れていく、ゆるやかなメロディが、心地よい。M-2の‘Ochre Landscape’はギターがメインに据えられている。荒涼とした大地とその上を吹き抜ける風、そこにある哀愁を感じさせます。後半に入ってくるワンフレーズがドラマティックに風景を盛り上げる。‘Charcoal Sunflowers’も、これまた、ゆるやかなリズムがよいですね。枯れゆく花、色あせた風景にあるような、少しの寂しさが漂う。

彼の音楽の何が心地よいのかと考えながら聴いていたのですが、リズム、あるいはテンポといってもよいでしょうか、音の流れるスピードなんじゃないかと思いました。私の好きな物書きの人が、エッセイで音楽と文章の在り方を結びつけて、“文章も要はリズムだ”という旨のことを書いていた。“極論すれば、リズムさえよければ、多少の内容のおかしさなど気にせず読める”と。リズムが合えば心地よいし、合わなければ当然心地はよくない、悪いということになる。当たり前すぎるかもしれないけれど、これは音楽にも当てはまることだと思う。リスナーにとってリズム(あるいはテンポかグルーヴか)が合う音楽、合わない音楽は存在するでしょう。

つまるところ、Poodleplay Arkestraの音楽は、私にとって心地よいリズムが流れているということですね。考えてみれば人体のエンジン、動力部分たる心臓がリズムを刻んでいるのだから、人間にとってリズムってやつが重要でないはずがない。今作の、特にM-1やM-3は、頭の中を流れていく景色の流れ、そのスピードがとても心地よくて、うっとりしてしまう。おだやかな川の流れや、海の波のような。この根本的な心地よさというやつが、彼の作品には通底しています。今作を聴いて感じるところがあった方は、これまでの作品も是非聴いてみてください。上記bandcampからたどれます。きっと裏切られないことでしょう。聴いて損はありません。ついでにちょっと足をのばして、別名義Poodleplay Archetypeの作品を聴いてみるのもよいと思います。

今回過去の作品を聴き返していて、印象的だったトラックを以下に。初作“Windy Miller’s Cocaine Years”に収録されている‘Black Spring’のRemixです―



 - Black Spring (Beach Mix) / (from Things To Take To The Beach): 空間に吸い込まれていくピアノ、こだまする電子の響き。森の中のような静けさ、深遠さがよいです。


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(CC) by - nc - nd 3.0



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