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カテゴリーアーカイブ: SilentSpace Records

Blue Bliss & Stray Theories – Lucid Dreamer

 Blue Bliss & Stray Theories - Lucid Dreamer

 – Tracklist –
 01. Blue Bliss – Sorrow
 02. Stray Theories – Find My Way
 03. Blue Bliss – Adrift In Mind
 04. Stray Theories – Tomorrow



 - 04. Stray Theories – Tomorrow


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 Release Date : 2013.01.12
 Label : SilentSpace Records

 Keywords : Ambient, Cinematic, Deep, Drone, Electronica.


 Related Links :
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ニュージーランドのネットレーベル、SilentSpace Recordsより。テヘラン出身、カナダ在住のBlue Bliss(Alireza Zaifnejad)、そしてニュージーランドの、Stray Theories(Micah Templeton-Wolfe)。二人のミュージシャン/コンポーザーによる、スプリット作がフリーでリリースされています。

ジャケットイメージには、“Lucid Dreamer”というタイトルに対する日本語訳とみられる、“明快な夢みる人”という言葉。暗い空間の中央で、膝を抱えた胎児のような姿勢で、眼を閉じる彼/彼女こそ、そのDreamerなのでしょう。このタイトル、ジャケットイメージ、すごくいい雰囲気です。

サウンドもその雰囲気を損なわず、DeepなタッチのAmbient/Droneが軸になっています。でもピュアなトーンのAmbient/Droneとは異なって、シンセの起伏だけを延々繰り返す形にはなっていません。両者ともAmbient/Droneのテクスチャーに、リズムやエフェクト、淡いメロディなどを巧みに持ち込み、景色に変化をつけています。これによってサウンドはグッと音楽的な方向に近づいていて、聴きやすさが増しています。結果として、ここには、抒情性をもちつつも、Calmな空間が生まれています。

Stray Theoriesのサウンドの方が、雑食性が強く思えます。Post-ClassicalやPost-Rockの領域とも無縁ではないでしょう。そのせいでしょうか、感情性を感じさせるサウンドスケープ。対してBlue Blissの方は電子音に比重をおいているようで、Deep Technoを彷彿させるような質感もあり。こういったAmbient/Droneを下地にしながらも、異なる手触りのトラックが交互に配置されることで、リスナーにとっては心地よい緩急が生み出されています。耳を飽きさせません。

どのトラックも好きなんですが、M-1とM-4が特に好きです。M-1は、静かな水面を眺めているような出だしから徐々に音の層が増していき、中途では歌声がふいに挿入されることで、一瞬緊張感が漂います。Ambient/Droneでありながら、そういった張り詰めた瞬間があるのも面白いですし、サウンドが徐々にビルドアップされていくようなスタイルも、ユニークに思います。M-4はAmbient/Droneのテクスチャーにノスタルジックな電子音が瞬く前半から、徐々にPost-Rock経由のギターが響きはじめ、終盤で悲しげなコーラス(?)と共に一気に広がる音空間が、景色を切り替える瞬間が、カタルシスです。先にも書いたようにわりと音楽的な方向に寄っているので、いわゆるAmbient/Droneサウンドに苦手意識がある方でも聴きやすいかと思います。

そして気になった方は、両者とも今作以外にも作品を公開・リリースしていますので、SoundCloudやbandcampを訪問してみてください。Blue Blissは同レーベルからアルバムもリリースしています。ただ、レーベル自体はそれ以降沈黙の期間に突入しているようで、現時点では目立った動きがないようなのが、残念。


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Mastered by Alireza Zaifnejad
Artwork by Funi – funi.deviantart.com