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カテゴリーアーカイブ: ZOOM LENS

MEISHI SMILE LIVE 5.15.15




Meishi SmileがYouTubeにて公開したライヴ映像が過去最高のエモさで大興奮です。

VJなどの視覚的演出にはいっさい触れず、ひたすら彼のプレイをとらえ続けるカメラの視点。

彼の鋭い眼光と絶え間ないアクションが観る者に与えるのは、緊張感とライブ感。

とにかくひとつひとつの挙動が非常にエモーショナルで、その様は、まるでバンドマンが楽器を演奏しているかのよう。

破壊的なエフェクトを絡めつつも、極めてPopにトラックを鳴らし、マイクを使っての絶叫スクリームでノイズなパンクスピリットを見せつける。

たまらなくカッコいいです。

クライマックスはラストの‘PALE’‘TEARS’の流れ。

悲しみを振り払おうと全力疾走しているような、叫びだしたくなるような、あふれ出るエモーション(こんなん泣くわ・・・2.5Dで見たときもそうだったけど)。

そのあとに訪れるノイズストームは悲しみの果ての破壊願望か(この辺りのパフォーマンスもたまらなくパンク)。

いつも頭の片隅に蘇るのは、誰の言葉か忘れたけれど、Nine Inch Nailsを評した言葉で“機械を使っているのに肉体性を感じさせた初めてのバンド”というものです。Meishi Smileのトラックはもちろんマシンによって作られているのだけれど、ここ―この鬱屈した感情を爆発させるようなパフォーマンスにある肉体性は、彼の愛するLimp BizkitやKORNなどのニュー・メタルとも通じるものがあるのでしょう。そんなパンクスピリットと、VGMやJ-Popなどを経由したメロウで煌びやかでPopなメロディが、高いレベルで結実したこのライヴが、胸を打たないなんてことがあり得ようか。いや、ない。

本当に素晴らしい。

私のようなクラブミュージックのシーンに耳を向けていない人間の心を打つことを鑑みても、きっと(いわゆる)ロックファン、バンドサウンドのファンにも迫るものがあると思う。その昔The Chemical BrothersやUnderworldがスターダムにのし上がったときに、その立ち位置について“ロックとテクノの懸け橋”というようなことが言われたけれど、このMeishi Smileにも同じようなことが言えるんじゃないかな。何と何の懸け橋か、私には的確な表現ができないのだけれど、彼がこれまで結びついていなかった“何か”を、見事に“つないで”いる感覚が止まない。

にしても再生回数少なすぎだろ・・・。全人類必見というのは大げさな表現だとは分かっているけれど、そう言いたくなるくらい、私はこのライヴ映像に痺れまくりました。40分があっという間だった。

Thanks for sharing!!!!



Oh My Muu – Self Help EP [ZLEP​-​23]

 Oh My Muu - Self Help EP [ZLEP​-​23]

 – Tracklist –
 01. Expectations (feat. Ulzzang Pistol)
 02. Reciprocation (feat. Yeule)
 03. Late Bloom (feat. No Rome)



 - 02. Reciprocation (feat. Yeule)


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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2015.07.21
 Label : ZOOM LENS

 Keywords : Ambient, ChillWave, Electronic, J-Pop, K-Pop, Shoegaze, SynthWave, Vocal.


 Related Links :
  ≫ Oh My Muu on Facebook / on SoundCloud / on Twitter

  ≫ Ulzzang Pistol on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Tumblr / on Twitter
  ≫ yeule on Facebook / on SoundCloud
  ≫ no rome on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on YouTube / on Twitter


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Meishi Smileが牽引するアメリカのネットレーベル/ミュージック・コレクティヴ、ZOOM LENSより。アメリカのトラックメイカー、Oh My Muuのデビュー作がフリーでリリースされています。これまでに他の名義での活動があったのかは分かりませんが、現時点では今作収録のトラックしか公開されておらず、そう考えると、これが世に向けて放たれた本当に初めてのトラックであるのかもしれません。

ZOOM LENSからリリースのあるUlzzang Pistolやyeule、またUlzzang Pistolの盟友であるno romeといった豪華メンツがヴォーカリストとして参加しており、彼らの声が表情豊かにトラックを彩りさまざまなシーンを演出しているのは確か。しかしトラックそのものが持つ力も相当に強いものがあって、この突然の登場にはまったくもって驚かされます。

グリッターでドリーミィなChillWave/SynthWave‘Expectations’を彩るのはUlzzang Pistol。彼の声はやっぱりロマンティックで悲しみをもっていて、歌が響き始めるや、リスナーの中には感情性を持った景色が広がり始めることでしょう。彼の‘Girlfriend’なんかはMVも含めてそうだけど、手の届かない悲しみが漂っていて、それは人間にとって普遍的ともいえる悩み苦しみの種でもありますので、彼の声(そして‘Expectations’)は、多くの人の胸を打つことでしょう。

M-2の‘Reciprocation’が打って変わって、淡々としたリズムを活かした、抑えた筆致のDigital-Shoegazeになっており、これがまたよいんです。ウィスパーなタッチで幻想的に唄われるYeuleの歌声も、はかなさや無常さを感じさせます。霧に包まれた景色の中で、徐々に視界がフェイドアウトしていくような、とても幻想的で、けれどどこか寂しくて、そんなイメージが頭に浮かんでくるのです。それでも軽やかに広がるコーラスやシンセのレイヤーには音楽的な心地よさが確かにあって、すなわちPopでSadで、私のハートのど真ん中を打ち抜くトラック。すばらしい。

‘Late Bloom’はグリッターなシンセサウンドと、ディレイ、リバーヴするヴォーカルとが入り乱れる、聴きようによってはサイケデリックなトラック。ヴォーカルを勤めたno romeに関しては、私の中で勝手にUlzzang Pistolの先輩格のようなイメージを持ってしまっているのですが(実際二人ともかなり若いのでどちらが上かはよく分かりません)、このトラックに関しても‘Expectations’をさらに眩くしたようなイメージです。M-1やM-3では特にヴォーカルを中心に据えた、歌をど真ん中で聴かせるつくりなので、この辺りが歌謡曲のようなイメージにつながっているのでしょう(これはSoutheast AsiaのインストゥルメンタルなElectronic musicにおいてもそうで、メロディをど真ん中で鳴らす傾向があります)。そのサウンドスタイルがJ-PopやK-Popといったキーワードにも結びつくのでしょう。つまりPop musicということです。

ZOOM LENSの嗅覚というのは本当に凄まじくて(前にも似たようなこと書きましたが)、少なからずクラブミュージックにもつながるレーベルカラーを持ちながら、移り変わりの激しいそのシーン・時流にはほとんど影響を受けず、それでいてリスナーの耳を奪う、Pop musicとしかいいようのないリリースを毎度毎度くりだしてくる、その鋭さたるや。それらリリースは、満を持して、というアーティストのときもありますが、まったく注目されていなかったアーティストをフックアップしてくるときも同様にあって、どこからどうやって見つけてくるのか、どんなアンテナのはり方をしているのか、毎回驚かされるのです。このOh My Muuも然り。脱帽です。

ということで今作、わずか3トラックですが、あいさつ代わりとその可能性を示すには十分すぎるEPです。次作にも期待します!!


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Artwork by Zeon Gomez
Mixed & Mastered by Rob Duffy



Paradice: Revisited by Friends & Lovers [ZLEP​-​16]

 Paradice: Revisited by Friends & Lovers [ZLEP​-​16]

 – Tracklist –
 01. You (poro poro Remix)
 02. Drowned Fish (White Bikini Remix)
 03. Because of my eyes (mus.hiba snow Remix)
 04. You (Uio Loi Remix)
 05. Quietly (la pumpkin Remix)
 06. Drowned Fish (Alper Remix)
 07. You (Kosmo Kat Remix)
 08. Because of my eyes (Jesse Ruins Remix)
 09. Quietly (yotsuba lifestyle Remix)



 - 05. Quietly (la pumpkin Remix)


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 Release Page Download Free!

 Download or Purchase “Paradice” Here:
 zoomlens.bandcamp.com/album/paradice-zl-21


 Release Date : 2014.12.16
 Label : ZOOM LENS

 Keywords : Ambient, Electronic, Post-Pop, Remix, Shoegaze, Vocal, Synthesizer.


 Related Links :
  ≫ LLLL on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp / on Twitter


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2014年中ごろにZOOM LENSよりドロップされたLLLLのアルバム“Paradice”。それまでのLLLLのサウンドにあった、硬質で冷たく、幻想的でありつつサイバーなイメージを保ちつつ、より煌びやかな、そしてPopな方面に舵を切った、新感覚のElectronic/Shoegazeになっていて、“優れた作品”というのもおこがましいほど、すばらしい作品でした。そんな“Paradice”が、2014年も終わりに差し掛かったころ、再びリスナーの前に姿を現したわけですが、今作はRemix集になっていて、リミキサー陣がまた豪華です。

ZOOM LENS界隈ではおなじみのmus.hibaやKOSMO KAT、Uio Loiやla pumpkinをはじめ、Omni E​.​P.も記憶に新しいWhite Bikini、poro poroやAlper、yotsuba lifestyleといったニューフェイス、そして世界で活動する日本のインディバンド(デュオ)Jesse Ruinsが参加しているという、新旧織り交ぜつつ、バラエティ豊かな顔ぶれが並びます(mus.hibaやKOSMO KATを“旧”にくくるのも憚られますが)。このリミキサーの選択に対する審美眼というのは誰の力が発揮されているのでしょうか。ZOOM LENSのオーナーのひとりであるMEISHI SMILEも少なからず関係しているのでしょうが、このレーベルのリリースは毎度毎度、自分たちのレーベルのカラーを外さず、それでいて新しさや楽しさを求めることを忘れず、新鮮なサウンドとその作り手を我々に教えてくれます。そのアンテナの敏感さ、探究心の強さには常に恐れ入り、また感心します。すばらしいレーベルだと思います。

オリジナルではラストに入っていた“You”から始まるというのも、面白い構造ですが、このM-1はトランシーなシンセとフラットなビートを効かせたアッパーなノリが印象的。オリジナルとはガラリと変わったシャイニーな景色が面白いんですが、オリジナルからもってきたウィスパー気味のヴォーカルが挿入されていて、このおかげでちょっと相対性理論ぽくも聴こえて、LLLLの中にそれを見出すとは、個人的には新たな発見でした。M-3の“Because of my eyes (mus.hiba snow Remix)”もよいです。冒頭で作られる、ドリーミィなAmbient空間。まさにmus.hibaの真骨頂。オリジナルのコズミックな空気をトラックの出だしで霧散させ、そこから冷たく幻想的な雪景色を描きにかかる、その構成もお見事です。

一回目のクライマックスが、アルバム半ばの‘Quietly (la pumpkin Remix)’。オリジナルの中でもフェイバリットだったこのトラックが、表情を変えつつも、しかし依然としてクライマックス足り得るのは、オリジナルの力強さと、リミキサーの手腕によるものでしょう。la pumpkinらしい、ピアノが静かにゆっくりと降り積もる(それはまるで雪のように)出だしから、オリジナルでもひときわの抒情性を醸していたストリングスを全面的にフィーチャーしながら、その中でヴォーカルを響かせる、Post-Cassicalとも呼べるElectronicaに仕上がっています。その冷たく悲しい景色は、ハッと息をのむほどに美しい。

KOSMO KATによる‘You (Kosmo Kat Remix)’もさすがの仕上がりで、得意のグリッターなHouse/SynthWaveサウンドがさく裂しています。オリジナルなコズミックな空気とも共振しつつ、陽性の方向にエネルギーを向けているのは、いかにもKOSMO KATらしく感じます。続く‘Because of my eyes (Jesse Ruins Remix)’は、感触的にはもっとも“電子音楽”っぽい。細断されたヴォーカルラインと、冷徹なビートにストレンジな電子音の共演は、Acidな響きも放っていて、リスナーを感情性のない、乾いた電子の海に放り込みます。作中でも異彩を放っていて、捉えようによっては、もっともリミックスらしいリミックスかもしれません。

ラストはyotsuba lifestyleによる、またしても‘Quietly’のリミックスで、前曲との対比もあり、私を安心の海へといざないます。オリジナルのメロディを大事に使いながら、バックをよりPopに、親しみやすい意匠に近づけたトラックで、作品の締めにはとても似合います。ちょっと楽しくて、ちょっと悲しくて、そしてどこか清々しいっていうトラックで、こんなトラックを聴いてしまったら、yotsuba lifestyleに対する注目度も上がるというものです。

2014年5月に催された、ZOOM LENSの日本初のショーケース、その名も“PARADICE”で、初めてLLLLの姿とプレイを目にしましたが(といってもネットを通じてですが ≫ watch here)、そのときは、とにかくミステリアスなオーラと、あらゆるサウンドを飲み込んだハイブリッドな音像で、グロテスクともいえる圧倒的なイメージを残しました。しかしここ―今作で積極的に抽出されているメロディたちは、いかにLLLLのサウンドがPopなのかを、我々に改めて教えてくれています。そうPopだからこそ、“Paradice”はZOOM LENSからリリースされたのだろうし、また今作もPopなリミックスになっているのだと思います。機会があればもっとパンチの利いたリミックスも聴いてみたい気がしますが、このあふれ出るポップネスは歓迎せざるを得ません。まだの方はオリジナルもあわせて是非。


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PHOTOGRAPHY:

Tetsushi Tsuruki »
www.flickr.com/photos/zuru1024/
zuru1024.tumblr.com



Ulzzang Pistol – Girlfriend [ZL​-​22]

 Ulzzang Pistol - Girlfriend [ZL​-​22]

 – Tracklist –
 01. Intro
 02. Girlfriend
 03. Secret Love (feat. Yikii)
 04. Ulzzang Pistol & No Rome – Danceforever (feat. Sarah Bonito)
 05. Ulzzang Pistol & Okapi – Bubblegum (feat. Hatsune Miku)
 06. Kawaii Pink 2 (feat. Sarah Bonito)
 07. Virtual Girl (feat. Achi from Margaret Spoon)
 08. Barrel of my Eye (feat. KOSMO KAT)
 09. Starcrossed (Prod. Similar Objects)



 - 06. Kawaii Pink 2 (feat. Sarah Bonito)


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 Release Page Download Free! / you can buy it!
 (Bandcamp Download includes special bonus cover track.)

 ≫ View official Zoom Lens album page here : zoom-lens.org/zl_22.html


 Release Date : 2014.10.07
 Label : ZOOM LENS

 Keywords : DreamWave, Electronic, J-Pop, Rap, Synth-Pop, Vocal.


 Related Links :
  ≫ ULZZANG PISTOL on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp
     on Tumblr / on Twitter

  ≫ ~SpiritOcean~オーシャンスピリット on Facebook / on SoundCloud


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アメリカのネットレーベル/ミュージック・コレクティヴ、ZOOM LENSより。以前にも紹介したフィリピンはマニラのトラックメイカー、Ulzzang Pistolの作品がドロップされました。フリーでも手に入れられますが、購入も可能です(その場合はスペシャルボーナストラックがついてくる! でもリリースページをよく読むと、中身はすでに書かれちゃってる・・・笑)

前回“『HARAJUKU SUNDAY』 原宿ドンタク EP”を紹介した際に、Spazzkidやbo en、KOSMO KAT、Meishi Smileと関連付けましたが、やはり当然というべきか、その界隈に食い込んできたようで、この作品はMeishi Smileの牽引するZOOM LENSからリリースされました。しかもほとんどのトラックでコラボレーションが行われているんですが、メンツがまたハズれていない。‘HATSUKOI’でコラボしたYikiiや、Kero Kero BonitoからのSarah Bonito(!)、同郷のSimilar Objects(彼にこういうPOPなイメージはなかったので意外でした)、日本からはKOSMO KAT(!)や、以前作品に参加したMargaret Spoonからachiさんを招いていたり、同じフィールドにいながらもバラエティ豊かなメンバーがならんでいます。

夜景を眺めるような、何かがはじまりそうな、とてもドリーミィでロマンチックなイントロ。続くタイトルトラック‘Girlfriend’は、まばゆく光るバックトラックにのせて、ひとりのガールに焦がれる気持ちが、全編日本語で歌われます(今作にはpdfファイルでzineがついているんですが、そこには各トラックにまつわるストーリーと、歌詞が掲載されています)。日本語は決してよどみなく歌われているわけではありませんが、逆にそれが感情の強さを感じさせます。あえて日本語を選んで、それによって感情表現を行おうとしている―つまりある種の障壁、困難をのりこえて表現を行おうとしているわけで、そこにかけるエネルギーというのは相当なものではないかと予測できます。そのことが非常にエモーションを感じさせまして、胸を打ちます。ガールに手が届かないそのアンタッチャブルな悲しみを描いたような、思わせぶりなMVも印象的。

作品全体でみても“原宿ドンタク EP”よりグレードアップしていることは間違いないんですが、個人的にうなったのが、Sarah Bonitoを招いた二つのトラック。彼女はM-4では歌詞を共作、M-5では歌詞を提供、そして両トラックでヴォーカルをとっています。Sarahは日本人ハーフなので日本語を巧みに使うことに驚きはないわけですが、非常に印象深くて、改めて才能を感じます。特に‘Kawaii Pink 2’の“かわいいピンクに囲まれて このままここにいればいい ピンク色のピーターパンっているのかな”、“毎日毎日大人になって みんなここを去っていく でも私は演技をしてるだけ”とか、大人になることと、子供でいることの狭間でゆれる心情を、キュートなHip-Hop/Rapで表現していて、メチャメチャよいです。POPなコーティングに耳を持って行かれがちだけど、よくよく聴くと葛藤が封じ込められて、深い。Rapから歌メロにつながってくる曲構成も含めて、すごくJ-Popというか、POPです。

作中でもっともBPMの速い‘Bubblegum’は、初音ミクをフィーチャーしている点も含めて、どこかニコ動っぽさを感じます。派手なディストーションギターを交えた疾走感あふれる曲構成もしかり。J-Popというと語弊があるかもしれませんが、こういうストレートな曲も披露してくるあたりに、Ulzzang Pistolのレンジの広さが伺えます。

achiさんが歌詞とメロディを提供した‘Virtual Girl’は、ちょっと冷たい感じでロボティックな雰囲気。エレクトロ・ポップ。ヴァーチャル・ガール(仮想少女)の視点で、‘君’に触れられない悲しみが唄われます。このタイトルとテーマからして、エイミー・トムスンのSF小説“ヴァーチャル・ガール”を思い出します。精巧に作られたロボットの少女マギーの成長譚ですが、ひとつ今でも覚えているシーンがあって、彼女が人間と身体を重ねたときに“これが人間同士で近づける最も近い距離なんだろうか。だとしたら・・・”って思うところ。彼女は確かそこに悲しみというか物足りなさを感じていたと思うんですが、非常に似通ったものをこのトラックからは感じます。


ちょっと話が逸れますが。たとえば自分にとってのMaltine Recordsのすごさって、POPであることなんです。クラブ・ミュージックを経由したPOPという形で、私のようなクラブ・ミュージックに興味関心のない者にも耳を傾けさせる、傾けさせてしまう、そんなリリース群だけでなく、その佇まいも含めての、あらゆる意味でのPOPさ。そしてZOOM LENSも今では、ジャンルにこだわらず、Digital punk rock spiritをキーワードにして、POPであることにこだわりを見せてリリースを続けています。だから、ZOOM LENS ― Meishi Smile ― Maltineというつながりには非常に納得できるし、ZOOM LENSから今作がリリースされたことにも納得できるのです。何が言いたいかというと、この作品が、POPということです。Indie的な隙が包み隠さず現れているところが、またいかにもZOOM LNESっぽい。キラキラしてるんだけど悲しくて、とてもロマンチック。


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Ulzzang Pistol- Girlfriend [PV]




Meishi Smile – LUST [ATK-0002] / [ZL-18]

 Meishi Smile - LUST [ATK-0002] / [ZL-18]

 – Tracklist –
 01. AJS
 02. PALE
 03. STILL
 04. SUMMER BLUE
 05. AI
 06. HONEY
 07. HEART
 08. TEARS
 09. HEART (Uio Loi Remix)
 10. PALE (mus.hiba Remix)
 11. SUMMER BLUE (KOSMO KAT Remix)
 12. HEART (la pumpkin Remix)
 13. HONEY (gigandect Remix)
 14. HONEY (Yoshino Yoshikawa Remix)



 - 02. PALE



 - 13. HONEY (gigandect Remix)


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 Release page :
  ■ Purchase
    ≫ [ digital album / compact disc* / limited edition 12″ vinyl**
        (* = Professionally pressed CD with full color printing and double sided obi.)
        (** = Sold Out!

    ≫ [ iTunes

  ■ Download Page
    ≫ [ main ] / [ mirror ] Free!


 Release Date : 2014.01.28
 Label : Attack The Music / ZOOM LENS

 Keywords : Electronic, J-Pop, Post-Pop, Remix, Shoegaze, Tears.


 Related Links :
  ≫ MEISHI SMILE on Last.fm / on Facebook / on SoundCloud
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アメリカの若きトラックメイカーMeishi Smile。彼の1stアルバム“LUST”がリリースされました。2012年にリリースされた作品と同タイトルですが、今作はそれをブラッシュアップしたもの。アメリカはカリフォルニアのレーベル、AttackTheMusicから、デジタル・アルバム、CD、そして12インチ・アナログ盤としてリリースされました(アナログはすでに完売しています)。それぞれの特典もユニークで、CDには日本盤ではおなじみの帯がついてきたり、アナログ盤購入者と、CDの先行予約者(あるいは先着50名までの購入者)には、収録トラックのいずれかに対応したイラスト付きメッセージカードがついてきたり(イラスト自体はこちら、魔法少(女)☆ゴーストさんのTumblrで見れます)。そしてお金がない人のために、あるいはフィジカルなリリースの在庫が少ないこともあるんでしょうか、自身のレーベルZOOM LENSからは、フリーでダウンロード可能にしてくれています(これは本当にありがとうございますと言いたい)。

リリースにあたって、旧ヴァージョンに対しての言及はほとんどされていませんが、Tumblrでは“The release is newly mixed and mastered. At this point, I don’t consider this a re-release and I consider the original to be almost a sort of demo.”と書いています(http://meishismile.tumblr.com/post/70139665338/meishi-smile-news)。このテキストから考えても、今作こそを正式な1stアルバムとみなすべきなのだと思います(もちろんだからといってオリジナルが貶められるべきではないけれど)。

そう、今作は新たなマスタリングとミックスが行われているわけですが、このマスタリングを手掛けたのが、日本のUltrapopマイスターYoshino Yoshikawa氏ってんだから、これはどうしたって心が昂ります。しかも、リミックスが6トラックも収録されているという部分も今作の大きな特徴でありうれしいところなんですが、このリミキサー陣がまた豪華メンツです(名前だけ見ても“おぉ”と心がどよめきます)。しかもしかも、日ごろからジャパニーズ・カルチャーへの関心・愛情を示しているMeishi Smileのコネクション、嗅覚がいかんなく発揮された結果、6名中4名が日本のトラックメイカーという、日本人リスナーとしてはうれしい悲鳴。


さて、ブラッシュアップされた今作、骨格はもちろん変わらないんだけど、細かいエフェクトや、これまでは聴こえてこなかった音(あるいは入っていなかった音)が加味されて、多層感、重厚感のある仕上がりになっています。随所に流れるメロディがよりクリアになり、さらにポップスに接近したような印象を受けました。そして、ハウスなビートとShoegaze的なラッシュ感が結びついて生まれる疾走感・高揚感と、さらには、エレクトロな響きが生み出す、喪失感(つまりは手の届かない輝き)、この相反するような二面性が“LUST”の魅力だったわけですが、これも段違いに強くなっています。‘PALE’なんてホント、体が動き出すくらい、すごい気持ち良いのに、同時に泣きそうになります。でもPOPなんです! いやそれこそがPOPなのか? 

思えば“Yuko Imada”という、決してポジティヴには響かない名前でノイズ・ミュージックを作っていた彼が、こんなにPOPなトラックを生み出してくるということ自体が、すでに彼の中にある二面性を象徴していたのかもしれません。そうだ、それと関連した話。今作のリリースパーティがタイニーチャットを利用したSPF420で行われたんですが、私もMeishi Smileのプレイを終盤から見ることができたんです。ラストにやったのがおそらく‘TEARS’だったかと思うんですが、そこでマイクをにぎった彼が何をしたかというと、シャウト! エフェクトをかけているんでしょうが、彼の口から放たれた声はノイズとなってトラックの上を暴れまわりました(彼自身も)。トラックを聴いているときは気付かなかったんですが(改めて聴くと分かります)、この‘TEARS’にあるのはShoegaze/Noiseだったんですね。プレイ中のコメント欄にも“Yuko Imada”の文字が多数流れましたが、彼の中には今も“Yuko Imada”が生きていることを、ライヴを見て実感しました。


彼Meishi Smileが、netlabel/netaudioのシーンの中でも、ある潮流(うまく説明はできないけど)の一端を担っていることは間違いないでしょう。確実にインターネット以降の世代でありながら、オリジナル作品においては、雑食性(サンプリングを含む)をあまり感じさせないところも、以前から印象的でした。Hip-Hopを経由したビートもなく、VaporWaveなタッチもなく、とても普遍性のある、リピートに耐え得る、タフなポップスを鳴らしていて、これは日本の歌謡曲やVGMからの影響なのかなあと思ったりもします。コンピレーション“ZOOM LENS V.A.”で聴ける、女性ヴォーカルの‘Pond’や、私の大好きな‘KISS (-BGM MIX-)’なんか聴いても分かりますが、メロディメイカーなんですよね。今後どこに向かうかは分かりませんが(たぶんPOPな方だと思うけれど)、もはやディグられる存在ではないでしょう。彼の挙動は自然に拡散されていく、そう思います。世間的な目では、ポジションはまだアンダーグラウンドかもしれませんが、今作へのリアクションを見ていると、何かの拍子にオーバーグラウンドに浮き上がりそうで、ドキドキします。果たしてこれから何が起こるか。向井秀徳の言葉をかりれば、“開戦前夜のこのカンジ”とでもいいますか。

女性ヴォーカルを招いてのプロジェクトも進行中だと思いますし、また新たなトラックなり、作品なりも、これから先に出てくるはず。本当に楽しみです。リアルタイムでこの才能に出会えたことに、幸せを感じます。

最後になりますが、一連のリミックスも抜群によいです。原曲をぶっ壊しているものはほとんどないんですが、みんなもともとのメロディを生かした上で、巧みに自身のカラーに染めています。特に好きなのは‘HEART (Uio Loi Remix)’と、‘HONEY (Yoshino Yoshikawa Remix)’です。前者は一見すると原曲を感じさせないビートと、ピアノの連打、シンセチックなレイヤーの中に、メロディの面影が埋め込まれていて、原曲とはまた違った聴き心地、違う景色(冷たく、人のいない街のような)が広がります。後者は、オリジナルのサッドな空気をファニーなものに塗り替えるように、弾んだリズムと可愛らしい電子音が温かく響きます。後半はJ-Popフィーリングなシンセのラインが突き抜けて、一気にYoshino Yoshikawa色に。やっぱりよいですネ! 

ということで、言うまでもなく傑作(結局言う)。もう聴いた人はさらに聴きましょう、そしてまだ聴いたことない人は騙されたと思って聴いてみましょう! あまりにも圧倒的なポップネスが放たれているもんだから、他の作品を聴いていても、頭のどこかで今作が鳴っているような錯覚すらしてしまうほどの、力強さ(いやいや冗談じゃないんですヨ)。いやー、もう、DAIKOUFUN☆(←思わずなつかしい表現が飛び出す始末)。今作に関わったみなさま、ありがとうございます!


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credit :

Produced by » Meishi Smile (meishismile.tumblr.com)
Mastered by » Yoshino Yoshikawa (yosshibox.com)
Artwork by » Kazami Suzuki (yohuka.tumblr.com)

Bonus Remixes by »
Uio Loi (soundcloud.com/uioloi)
mus.hiba (soundcloud.com/mushiba)
gigandect (soundcloud.com/gigandect)
la pumpkin (soundcloud.com/la-pumpkin)
Yoshino Yoshikawa (soundcloud.com/yosshibox)
KOSMO KAT (soundcloud.com/kosmo-kat)

Published in cooperation with » Zoom Lens (zoom-lens.org)

i-fls – Residential town loneliness [ZL​-​13]

 i-fls - Residential town loneliness [ZL​-​13]

 – Tracklist –
 01. soundcloud3
 02. monorail
 03. youth culture
 04. hypermarket
 05. dry riverbed
 06. Asako in whispering in district park
 07. used bookstore chains
 08. local line at twilight
 09. after school
 10. fence
 11. collar
 12. Elly (veranda)
 13. collar (sketch demo)
 14. forever
 15. love me tender



 - 03. youth culture



 - 11. collar


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 Release Page :
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 Release Date : 2013.01.19
 Label : ZOOM LENS

 Keywords : Ambient, ChillWave, Electronica, Loneliness, Post-Pop, VGM.


 Related Links :
  ≫ LISTENING SUICIDAL
  ≫ i-fls on SoundCloud / on bandcamp / on Tumblr


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Meishi Smile(= Yūko Imada)によって運営される、アメリカのネットレーベル/ミュージック・コレクティヴ、ZOOM LENSより。以前よりアナウンスされていた、i-flsの作品がフリーでリリースされました。i-flsは日本のミュージシャン。普段はイラストを描いているそうです。ジャケットに用いられている画像は、自身の手によるものでしょう。

特徴的なのは、音数の少なさと、使われている音色の一貫性(Garagebandで作られているそうです)。去年半ばあたりから、bandcamp上で頻繁に音源の公開が行われていますが、すべての作品に耳を傾ければ、ほとんどのトラックが、この特徴に当てはまることが分かります。

やわらかく、冷たい電子のメロディは、デジタル(つまり、生身ではない、人間同士のつながり)の悲しみを宿しているようで。チャイルディッシュでドリーミィな気配は、ノスタルジアを誘う。この作品には明確なコンセプト、イメージがあるようで(ちなみにだけれど、ラストの3曲はボーナス・トラックだ)、それはそのままタイトルに表されています。“Residential town loneliness”。住宅都市の孤独。

そうかといって、ここにあるサウンドが、怖いとか、暗いとか、そういうことではありません。むしろその逆。短い持続時間の中で反復的に描かれる、いくつものシーンたちは、とても美しい。けれど、それは風景的な美しさだ。そこには血の通った、肉体的、物理的なつながりはない。群衆の中に独り佇み、周囲の人間が、ただの他人、対象物として通り過ぎていく、都市空間。集団化と画一化の中で個を失くし、失われていく人間関係。ここにあるサウンドには、その喪失感というヤツが、非常に色濃くある。描かれているどの景色にも、喪失感が滲んでいる。そして、加速する喪失感と共存するような形で、刹那的な情景美が存在している。

そこにあるのは客観的な視点だ。決して“私”自身が主人公ではない。夕暮れ時に独り自転車を漕いで帰宅する女子高生だったり、電車の窓、流れる景色を透かして、そこに映る自分の顔をぼんやり眺めているサラリーマンだったり、電気を消した部屋で独り、PCに向かう少年だったり、都市の中にある“孤独”のシーンを、リスナーは目にするだろう。失くしてしまった何かを強くイメージさせられる(言葉が用いられていないのにも関わらず、だ)サウンドは、とてもノスタルジックで、ときには輝きすらもっていて、今作を聴いて初めて、自分が何かを失くしていることに、気付く人もいるかもしれません。きっとそれは、美しいもの。そのアンタッチャブル感(手が届かない感覚)は、理想郷的でもある。

かつてナンバーガールは、バンドサウンドでもって、都市生活におけるディスコミュニケーションや殺伐とした空気、孤独感を情景的に描いていました。このi-flsも、表面的な部分は違えど、通底しているものがあるのではないかと思います(どこかにある少女への憧憬のようなものも、その気持ちを強くさせます)。また、ミニマルなリズムや少ない音数に見られるようなシンプルな構成と、淡い電子感をもったドリーミィなサウンドは、ChillWave meets VGMとでも言えそうで、矛盾した表現だけれど、匿名的でありながら、とてもユニークです。ユニークなんだけど、でもこれをリリースするレーベルは、やっぱりZOOM LENSがピッタリだと思います。見事にレーベルのカラーにマッチしています。



MEISHI SMILE – LUST [OCTO20] / [ZL-12]

 MEISHI SMILE - LUST  [OCTO20] / [ZL-12]

 – Tracklist –
 01. AJS
 02. PALE
 03. STILL
 04. SUMMER BLUE
 05. AI
 06. HONEY
 07. HEART
 08. TEARS


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 Release Date : 2012.09.22
 Label : Orchid Tapes / ZOOM LENS

 Keywords :
  ≫ Electronica, J-Pop, Nakata Yasutaka, Post-Pop, Shoegaze, Techno-Pop, Vocoder.


 Related Links :
  ≫ nekomimistar

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  ≫ Hear Me Out: Meishi Smile | lights and music


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個人的にここしばらくで最も待ち望んでいた作品が、ようやくリリースされた。もう何か月も前から、リリースのアナウンスだけはされていたものの、一向に動き出さないので、心配していた。アメリカ在住のYūko Imadaによって運営されるZoom Lens、そしてFoxes in FictionことWarren Hildebrand(彼もまたインディファンには大人気だ)とBrian Vuによって運営される、トロント発ブルックリン基盤のOrchid Tapes。この二つのレーベルによる共同リリースが、今作、MEISHI SMILEの”LUST”。Zoom Lens側からはフリーで配信されているが、Orchid Tapesからはスペシャルなカセットテープという形で購入が可能!(しかし販売開始後、一日待たずに完売しました!)

彼―Yūko Imada(これはペンネームのひとつだろう)が、敬愛する中田ヤスタカに手紙を送ったという話を以前書いたことがあるけれど、この作品を紹介するには、その内容に触れないわけにはいかない。これは彼のTumblrに掲載されていた(現在は当該記事はなくなっている様子だ)-“LETTER TO NAKATA YASUTAKA“。彼のTumblrを少し眺めてみれば、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅといった中田ヤスタカプロデュースのPost-Popだけでなく、日本の80年代アイドルの音楽にも興味・関心をもっている様子がうかがえる。またエロ(’kawaii’も含む)や日本のアニメ、ビデオゲームといったサブカル・アングラ的な世界にもごく自然に身を置いているようで、彼のキャラクターを考えたときに、ごくストレートに’OTAKU’という言葉が浮かんでくる。そんな彼はZoom Lensというレーベルないしはミュージック・コレクティヴを牽引し、また自身でもエクスペリメンタルなNoise作品、ElectronicなPop musicを作って、配信している。

日本の文化に影響を受けて、それを音楽に落とし込んでいるアーティスト、ミュージシャンはままいるでしょう。特にアニメやビデオゲームの要素を持ち込んでいる人が多く感じるのだけれど、もちろんこのMEISHI SMILE(言い忘れたけれど、これはYūko Imadaのソロ・プロジェクトだ)も例外ではない。ただ彼の作るPop musicにおいては、’中田ヤスタカの音楽’というものが、大きな柱のようにそそり立っている。残念ながら音楽理論を知らない私には、どこにどういう形で現れている、とは指摘できない。けれどエレクトロな響きの中に、高揚感と同時に悲しみを響かせるこの在り方は、すごく中田ヤスタカの作るJ-Popに似たものを感じさせる。悲しみを振り切ろうとして全速力で走っているうちに、やがて景色は猛スピードで流れはじめ、けれど反対に、感情と身体はゆるやかに分離していくような。身体は感情を失くしたはずなのに、なぜか眼からは涙が流れている。だからこの作品は、少しだけ、悲しい。

リリースページによれば、’An album about the cycle of heartbreak’とのことだ。ダンサブルなリズムに乗って、いつまでも回り続けるハートブレイク。輝くシンセが生み出す感傷性は、輪のように回り、リスナーの心を占領する。特にM-1やM-6がフェイバリットだ。現実を捨て、思い出主義者に早変わり、いつまでもこの切なく輝く輪の中に、身を置いていたくなる。鳥肌が立つような高揚感、静かに涙が出るような切ない思い。M-5やM-8では、Shoegaze(これも彼の音楽的バックグラウンドのひとつだろう)にも通じるような粒子の粗いテクスチャーを使って、どこか近未来、サイバー感覚の風景を描いてみせる。マッドでキッチュで阿呆なものが大好きそうな彼が、こうやって感情に訴えるシリアスな作品をドロップしてくるという、この二面性、大好きです。私にとって非常に魅力的な人物です。

本当にすばらしい作品で、私は”ありがとう!”と言いたい。多くの人に聴いてほしい。特に日本のリスナーには。中田ヤスタカの音楽が海を越えてアメリカの少年の心をゆさぶったように、この”LUST”によって、心を動かされる日本の少年/少女たちもまた、現れるはず。そして、彼らの音楽が、世界に向けて発信される日が、いつかきっとくるでしょう。迷わず聴くべし。コレをPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅと一緒に、携帯型音楽プレーヤーに入れたっていいんだ。そう考えるとすごいな。自分が作った音楽と、大きな影響源になった音楽が、顔も知らないどこかの誰かの音楽プレーヤの中で並ぶなんて。夢のようじゃないか。

ちなみにアートワークは、日本人のOshima Tomokoさんが手がけている。Zoom Lensのイメージに恐ろしいほどピッタリだ。Tumblrも面白いので、下記のリンクから覗いてみてください。


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Credits:

Artwork by Oshima Tomoko
Contact: tomokoo0909@gmail.com

tmsowacl.tumblr.com
twitter.com/tmsowacl_
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Mastered by Jeff Matthews
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