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カテゴリーアーカイブ: Deep Lake Records

Burning House – Ⅱ [DLR078]

 Burning House - Ⅱ [DLR078]

 – Tracklist –
 01. Souvenirs
 02. Her Vowel No.
 03. Evelyn



 - 02. Her Vowel No.


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 Release Date : 2013.10.12
 Label : Deep Lake Records

 Keywords : Alternative, Indie, Shoegaze.


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2012年発足、イタリアのレーベル、Deep Lake Recordsより。イングランドのバンド、Burning Houseの作品がフリーでリリースされています。メンバー構成は、Aaron(Vocals/Guitar), Harry(Drums), Patrick(Bass)の3人。今作のオリジナルリリースは、2013年の8月。彼らのbandcamp上で公開されたものです。

リスナーがたどってきた音楽遍歴によって、彼らのサウンドの捉え方(というか、そこに見る影響源)は変わってくるでしょう。M-2にあるディストーション&フィードバックギターの疾走感は、間違いなくMy Bloody Valentine直系。でも全編がその系統のサウンドになってはいない。M-1にある、グランジなギターと耽美的なヴォーカルがあわさって生まれる特異な浮遊感は、The Smashing Pumpkinsのそれに類似する。

その流れの中でM-3を聴くと、かなり枯れた味わいになっていて、ちょっと驚く。過去の作品で彼らが強く見せていた、メランコリーな側面が全開になっている。たとえば、bandcamp上で彼ら自身が用いているタグにはSadcoreやSlowcoreがある。Shoegazeという嵐のあとの荒涼とした景色がSadcoreやSlowcoreであるとするならば、確かにそこにつながりは見いだせる。静けさの中で、嵐を遠くに感じながらの浮遊感とでもいうか。そういった感覚が、私は元SlowdiveのNeil Halsteadが率いたMojave 3(Prayer For The Paranoidon’ on YouTube)のサウンドに近しいように思うし、強いていえば、Burning Houseはそこに黒いインクを垂らしたような、メランコリアが漂っている。

そういった、スローなテンポとアコースティックな演奏、ドリームライク/ノスタルジック(加えて憂鬱)なフィーリングが、彼らが公言するRed House Painters(Have You Forgotten’ on YouTube)からの影響なんだろう。それをもっとも強く感じたトラック、‘13 Moons’(from “Burning House EP”)を以下に(消えてしまいました)。


Alternative~Shoegaze、そしてそれを通過後のSadcore/Slowcoreまでを、ひとつのバンドの中で鳴らすという、なんという凝縮感。ShoegazeによるCatharsisからSadcoreによるDepressionへの移り変わりは驚くほど。それは確かに個性となっていますが、現時点ではトラックによってハッキリとカラーが分かれすぎている印象も否めません。Burning House EP収録の‘Languor’のような折衷的なサウンドも増えてくると、もっと魅力が増すと思います。


(※完全に余談だけど、上に出したNeil Halsteadの新ユニットBlack Hearted Brotherの新作は間もなくのようです)



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Artwork by Victoria Rick: victoriarick.wordpress.com

Self produced. Mixed produced and engineered by Patrick White (with help from Tom Hayes of Dead Rabbits and Sam Barber)



(CC) by - sa 3.0