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カテゴリーアーカイブ: TV FEH

mLaD3n° – UNKNOWN ISLAND [012]

 mLaD3n° - UNKNOWN ISLAND

 – Tracklist –
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 Release Date : 2017.02.20
 Label : TV FEH

 Keywords : Ambient, Deep, Future City, Underwater, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ mLaD3n° on bandcamp


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小さいころ、自分が雨の日を好きだったのは、それが外に出なくてよい口実になっていたから、かもしれない。“雨降ってるし”、という言い分。“お腹が痛い”とか“熱がある”とかと同じ理屈なんだろう。そうやって自分だけの空間、時間に逃げ込むことで、安心を手に入れていたのだろう。当然、大人になればそんな理屈は通りにくくなるし、それと合わせるように私は雨の日が嫌いになってきた。

今の私がたびたび逃げ込むのは深海、海中のイメージだ。その人知の及ばない神秘的なイメージに惹かれている人は多くいるだろう。そのある種の異世界は現実から自分を切り離し、身を沈めるのに打ってつけではある。しかし実際深海まで潜れるわけもないし、よしんば潜ったところで怖すぎるので(ワガママだ)、私が好むのはあくまでイメージに留まっている。

そう、水族館もその異世界感に近しいものを醸しているけれど、しかし周りに第三者がいるという時点で、少なからず現実は残ってしまう。・・・そういえば、自分の身の回りに水族館の年間パスを持っている人がチラホラといて驚いたことがあるが、案外その事実に潜んでいるのは、現実とは異なる世界を欲する心なのかもしれない。なんて。

深海や水中のイメージといえば、それをコンセプトにしたビデオゲームも存在する。“アクアノートの休日”…は、プレイしてないな。PSの“DEPTH”はよくやった。



最近だと“ABZÛ”が記憶に新しい。スリリングな側面もあるけれど、プレイヤーがデッドすることはないし、総じてリラクシンだ。独特のグラフィックも美しく、魅力的。



あとは“SOMA”もある。深海探索SFホラーアドベンチャーであるけれど、ストーリーは自己の在り方を問うような、悩ましいものになっている。ラストに待つ希望と絶望のコントラストに何を感じるかは人それぞれでしょう。これは恐怖も孕んではいるが、神秘的な世界観がもつ没入感は極めて強い。



と、遠回りをしていますが、音楽の存在を忘れてはいけません。水族館やビデオゲームも結構ですが、深海や水中のイメージをもった音楽も古今東西たくさんあるでしょう。いつも挙げるのは深海Dark Ambientの傑作、Nubiferousの“Behind The Megalithic Walls”ですが、ベクトルは異なりながらもこの“UNKNOWN ISLAND”もかなりの深海、水中感でもって、私を包み込んできます。没入。Discogsなんかでみると、アーティスト名がUNKNOWN ISLANDとなっていますし、レーベル側ではレーベル名のTHE FEHとなっているんですが、mLaD3n°のbandcampからもリリースされているので、ここではmLaD3n°名義にしております。

“UNKNOWN ISLAND”というよりは、個人的には海中に建設されたドームの中にある未来都市といったイメージです。ドームの天井に映されるのは架空の空。絶対的に地上とは何かが違っていて。そこにある悲しみやミステリーの気配。深海の閉塞感と同居する、奇妙な安心感。いいですね。頭の中に広がる世界。没入。M-2とか水中での目覚めみたいな、不思議なサウンド。音の揺らぎは水中を、鳥のさえずりが朝の訪れを、告げる。幻想的です。作中では長尺のM-6もよい水中感。鼓動と同期するようなリズムと、スローな音の波と、わずかな電子感。深海でパワースーツ着て機械端末いじってる光景。少し危険、みたいな。

mLaD3n°はTV FEHを基盤にして多くの名義を使って作品をリリースしている様子なので、気になった方はぜひ他の作品もチェックしてみてください。同名義の“(専用イダ)”も好きです。


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 Note :

SECRETS INSIDE THE CITY
UNKOWN ISLAND
RESORT