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カテゴリーアーカイブ: Attack The Music

Meishi Smile – LUST [ATK-0002] / [ZL-18]

 Meishi Smile - LUST [ATK-0002] / [ZL-18]

 – Tracklist –
 01. AJS
 02. PALE
 03. STILL
 04. SUMMER BLUE
 05. AI
 06. HONEY
 07. HEART
 08. TEARS
 09. HEART (Uio Loi Remix)
 10. PALE (mus.hiba Remix)
 11. SUMMER BLUE (KOSMO KAT Remix)
 12. HEART (la pumpkin Remix)
 13. HONEY (gigandect Remix)
 14. HONEY (Yoshino Yoshikawa Remix)



 - 02. PALE



 - 13. HONEY (gigandect Remix)


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 Release page :
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    ≫ [ digital album / compact disc* / limited edition 12″ vinyl**
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 Release Date : 2014.01.28
 Label : Attack The Music / ZOOM LENS

 Keywords : Electronic, J-Pop, Post-Pop, Remix, Shoegaze, Tears.


 Related Links :
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アメリカの若きトラックメイカーMeishi Smile。彼の1stアルバム“LUST”がリリースされました。2012年にリリースされた作品と同タイトルですが、今作はそれをブラッシュアップしたもの。アメリカはカリフォルニアのレーベル、AttackTheMusicから、デジタル・アルバム、CD、そして12インチ・アナログ盤としてリリースされました(アナログはすでに完売しています)。それぞれの特典もユニークで、CDには日本盤ではおなじみの帯がついてきたり、アナログ盤購入者と、CDの先行予約者(あるいは先着50名までの購入者)には、収録トラックのいずれかに対応したイラスト付きメッセージカードがついてきたり(イラスト自体はこちら、魔法少(女)☆ゴーストさんのTumblrで見れます)。そしてお金がない人のために、あるいはフィジカルなリリースの在庫が少ないこともあるんでしょうか、自身のレーベルZOOM LENSからは、フリーでダウンロード可能にしてくれています(これは本当にありがとうございますと言いたい)。

リリースにあたって、旧ヴァージョンに対しての言及はほとんどされていませんが、Tumblrでは“The release is newly mixed and mastered. At this point, I don’t consider this a re-release and I consider the original to be almost a sort of demo.”と書いています(http://meishismile.tumblr.com/post/70139665338/meishi-smile-news)。このテキストから考えても、今作こそを正式な1stアルバムとみなすべきなのだと思います(もちろんだからといってオリジナルが貶められるべきではないけれど)。

そう、今作は新たなマスタリングとミックスが行われているわけですが、このマスタリングを手掛けたのが、日本のUltrapopマイスターYoshino Yoshikawa氏ってんだから、これはどうしたって心が昂ります。しかも、リミックスが6トラックも収録されているという部分も今作の大きな特徴でありうれしいところなんですが、このリミキサー陣がまた豪華メンツです(名前だけ見ても“おぉ”と心がどよめきます)。しかもしかも、日ごろからジャパニーズ・カルチャーへの関心・愛情を示しているMeishi Smileのコネクション、嗅覚がいかんなく発揮された結果、6名中4名が日本のトラックメイカーという、日本人リスナーとしてはうれしい悲鳴。


さて、ブラッシュアップされた今作、骨格はもちろん変わらないんだけど、細かいエフェクトや、これまでは聴こえてこなかった音(あるいは入っていなかった音)が加味されて、多層感、重厚感のある仕上がりになっています。随所に流れるメロディがよりクリアになり、さらにポップスに接近したような印象を受けました。そして、ハウスなビートとShoegaze的なラッシュ感が結びついて生まれる疾走感・高揚感と、さらには、エレクトロな響きが生み出す、喪失感(つまりは手の届かない輝き)、この相反するような二面性が“LUST”の魅力だったわけですが、これも段違いに強くなっています。‘PALE’なんてホント、体が動き出すくらい、すごい気持ち良いのに、同時に泣きそうになります。でもPOPなんです! いやそれこそがPOPなのか? 

思えば“Yuko Imada”という、決してポジティヴには響かない名前でノイズ・ミュージックを作っていた彼が、こんなにPOPなトラックを生み出してくるということ自体が、すでに彼の中にある二面性を象徴していたのかもしれません。そうだ、それと関連した話。今作のリリースパーティがタイニーチャットを利用したSPF420で行われたんですが、私もMeishi Smileのプレイを終盤から見ることができたんです。ラストにやったのがおそらく‘TEARS’だったかと思うんですが、そこでマイクをにぎった彼が何をしたかというと、シャウト! エフェクトをかけているんでしょうが、彼の口から放たれた声はノイズとなってトラックの上を暴れまわりました(彼自身も)。トラックを聴いているときは気付かなかったんですが(改めて聴くと分かります)、この‘TEARS’にあるのはShoegaze/Noiseだったんですね。プレイ中のコメント欄にも“Yuko Imada”の文字が多数流れましたが、彼の中には今も“Yuko Imada”が生きていることを、ライヴを見て実感しました。


彼Meishi Smileが、netlabel/netaudioのシーンの中でも、ある潮流(うまく説明はできないけど)の一端を担っていることは間違いないでしょう。確実にインターネット以降の世代でありながら、オリジナル作品においては、雑食性(サンプリングを含む)をあまり感じさせないところも、以前から印象的でした。Hip-Hopを経由したビートもなく、VaporWaveなタッチもなく、とても普遍性のある、リピートに耐え得る、タフなポップスを鳴らしていて、これは日本の歌謡曲やVGMからの影響なのかなあと思ったりもします。コンピレーション“ZOOM LENS V.A.”で聴ける、女性ヴォーカルの‘Pond’や、私の大好きな‘KISS (-BGM MIX-)’なんか聴いても分かりますが、メロディメイカーなんですよね。今後どこに向かうかは分かりませんが(たぶんPOPな方だと思うけれど)、もはやディグられる存在ではないでしょう。彼の挙動は自然に拡散されていく、そう思います。世間的な目では、ポジションはまだアンダーグラウンドかもしれませんが、今作へのリアクションを見ていると、何かの拍子にオーバーグラウンドに浮き上がりそうで、ドキドキします。果たしてこれから何が起こるか。向井秀徳の言葉をかりれば、“開戦前夜のこのカンジ”とでもいいますか。

女性ヴォーカルを招いてのプロジェクトも進行中だと思いますし、また新たなトラックなり、作品なりも、これから先に出てくるはず。本当に楽しみです。リアルタイムでこの才能に出会えたことに、幸せを感じます。

最後になりますが、一連のリミックスも抜群によいです。原曲をぶっ壊しているものはほとんどないんですが、みんなもともとのメロディを生かした上で、巧みに自身のカラーに染めています。特に好きなのは‘HEART (Uio Loi Remix)’と、‘HONEY (Yoshino Yoshikawa Remix)’です。前者は一見すると原曲を感じさせないビートと、ピアノの連打、シンセチックなレイヤーの中に、メロディの面影が埋め込まれていて、原曲とはまた違った聴き心地、違う景色(冷たく、人のいない街のような)が広がります。後者は、オリジナルのサッドな空気をファニーなものに塗り替えるように、弾んだリズムと可愛らしい電子音が温かく響きます。後半はJ-Popフィーリングなシンセのラインが突き抜けて、一気にYoshino Yoshikawa色に。やっぱりよいですネ! 

ということで、言うまでもなく傑作(結局言う)。もう聴いた人はさらに聴きましょう、そしてまだ聴いたことない人は騙されたと思って聴いてみましょう! あまりにも圧倒的なポップネスが放たれているもんだから、他の作品を聴いていても、頭のどこかで今作が鳴っているような錯覚すらしてしまうほどの、力強さ(いやいや冗談じゃないんですヨ)。いやー、もう、DAIKOUFUN☆(←思わずなつかしい表現が飛び出す始末)。今作に関わったみなさま、ありがとうございます!


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credit :

Produced by » Meishi Smile (meishismile.tumblr.com)
Mastered by » Yoshino Yoshikawa (yosshibox.com)
Artwork by » Kazami Suzuki (yohuka.tumblr.com)

Bonus Remixes by »
Uio Loi (soundcloud.com/uioloi)
mus.hiba (soundcloud.com/mushiba)
gigandect (soundcloud.com/gigandect)
la pumpkin (soundcloud.com/la-pumpkin)
Yoshino Yoshikawa (soundcloud.com/yosshibox)
KOSMO KAT (soundcloud.com/kosmo-kat)

Published in cooperation with » Zoom Lens (zoom-lens.org)

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