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RED UNIT – So Beautiful [ql015]

 RED UNIT - So Beautiful [ql015]

 – Tracklist –
 01. Red Flag
 02. So Beautiful
 03. Mind
 (※ mirrorでは曲順が異なります。ここではmainに従って表記しています)



 - 02. So Beautiful


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 Release Page :
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 Release Date : 2006.05
 Label : QUIET LOUNGE

 Keywords : Breakbeat, Chinese, Electronic, Revolutionary Song, Techno.


 Related Links :
  ≫ Red Unit on Last.fm


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たまにはHDにある過去の蓄積を掘り起こしてみたり。2000年代中頃から始まった日本のネットレーベル、QUIET LOUNGE(特に日本のレーベルであることをアピールはしていませんが、運営者は日本の方のようです)。そのリリース群は、アジア発のElectronic musicにフォーカスされていました。“されていました”と過去形で書いたのは、今は活動している様子がみられないから。クローズの宣言もされていませんし、サイトも維持されているので、もしかしたら急に動き出すこともあるのかもしれませんが、現時点では休眠状態にあります。

Red Unitの詳細も不明です。ソロなのか、ユニットなのか、誰かの別名義なのか。分からない部分は多くあります。しかしながらその音楽性は確固たる個性をもっていて、つまりユニーク。はじめて聴いた音源が何だったのかは失念してしまいましたが、特に印象に残っていたのは“Girls in Red”収録の、‘Tradition’だった。なのでいつか投稿するなら、“Girls in Red”についてだろうなと、漠然と思っていたのですが、でも最近聴き返していて、もっともよかったのが、この“So Beautiful”だったので、こうして何やら書き記している次第。

一言でいうなら、Chinese Technoとでも申しましょうか。聴いてすぐに“中国”というワードが頭に浮かぶサウンド。その理由は、サウンドに持ち込まれているのが、おそらくは中国の革命歌であるという点。分かりやすいメロディと、勇ましく、高らかな唱和。そういった歌を用いることに政治的思想が込められているのかは分かりませんが、もしかすると革命歌ではないかもしれませんし、その点については深く言及しません(元ネタを明らかにすることができれば、その側面から何か書くこともできましょうが、残念ながら私にはそれだけの根性がありませんでした。気になる方は頑張って調べてください!)。

また、ジャケット画像にしても、ほとんどの作品でRed Unitは、プロパガンダポスターの画像(あるいはそれを模したものかもしれない)を使用している。それらが中国共産党によって作られたものなのかは分かりませんが、劇画調のタッチと、色鮮やかな色調は、それだけでインパクトがあります。この点もユニーク。

なにより面白いのはBreakbeat/TechnoのスタイルにChinese songを融合させているという点だ。1曲だけならまだしも、これがRed Unitのスタイルであり、ほとんどのトラックでこの奇妙な融合が披露されているのだから、恐れ入る。シリアスなのかジョークなのかも分からないくらい、さりげなく融合されていて、斜に構えた様子や、パンクな精神性(メインストリームに対する反抗心)は嗅ぎ取れない。抑制されたサウンドの中に、ほのかに漂う遊び心のような。そのバランス感覚、センスはクールという他ない。スタイル自体はストレンジなのに、聴き心地はPopであるという、この親しみやすさもまた、好ましい。

現時点ではRed Unitとしての活動自体をしていないようですが、多くの作品がQUIET LOUNGEからのリリースに残されています。気に入った方は是非レーベルを訪れて、手に入れてみてください。謎に包まれたまま時の流れに消えていくのもまた魅力的ですが、願わくば、またリリースを行ってほしいものです。


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