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Livio Amato & Sarah Michelle Coletti – The Priestess [IG6]

 Livio Amato & Sarah Michelle Coletti - The Priestess [IG6]

 – Tracklist –
 01. Opening to the Priestess
 02. Thiara
 03. The Knights
 04. Sarah’s dream
 05. Wilhelmina
 06. Heresya
 07. Ancestral
 08. The awakening



 - 05. Wilhelmina


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 Release Page :
  ≫ [ IndieGuild ] / [ Jamendo ] Download Free!

 Release Date : 2013.06.21
 Label : IndieGuild

 Keywords : Ambient, Electronic, New Age, Piano, Trance, Vocal.


 Related Links :
  ≫ www.livioamato.com/
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インディ・ミュージック/アートを多方面からプロモートするイギリスのサイト、IndieGuildより。イタリアのミュージシャン、 Livio Amatoの作品がフリーでリリースされています。オリジナルのリリースは2012年のようで、bandcampやJamendoからも入手することができます。また今作は、Sarah Michelle Colettiとのコラボレーション作品になっているようで、厳密にはLivio Amato単独の作品ではないようです(ジャケット画像にある“HyparxisProject”というのがユニット名になるのだろうか)。

これまでにも、Livio Amato名義で少なくない数の作品がリリースされていますが、Classicalなピアノや、ギタリストらしい巧みなギター演奏を生かしたNew Age調のサウンドがメインになっています。それをふまえた上で今作を聴くと、だいぶ毛色が異なっているように感じられる。

全体的にElectronicな質感が強くなっていて、スペーシーなAmbient調の空間やElectronicなリズムが目立っている。これまでのようなピアノやギターを生かしたトラックもあるのだけれど、決してNew Ageの枠にとどまらず、全体的に翳りをもったサウンドになっていて、聴きようによってはDark Wave/Cold Waveなどの、Gothicな要素も嗅ぎ取れる。

トラックごとに見ていくと色々な傾向がみれて面白い。M-1, 3, 4はAmbientな空間にElectronicなリズムが入り込んでくるトラックになっていて、M-4にはちょっぴりTranceチックなところがあるんだけど、この傾向が爆発しているのがM-6。モロにTrance musicになっていて、初めて聴いたときは驚いた。リリースに関する説明がほとんどイタリア語なので、詳しいコンセプトまでは把握できないのですが、この作品にあえてこのトラックを入れた理由が気になるところです。

M-2, 5はピアノを前面に据えたシネマティックなサウンドスケープが堪能できるトラック。M-5では後半に大胆なギターフレーズが挿入されていて、このピアノとギターを用いた音作りは、比較的これまでのLivio Amatoの作品に近いものかもしれない。M-7はSpace Ambientからフェアリーテイルの世界へなだれこむファンタジックなトラック。ラストは、崇高、深遠なAmbient空間に、重みのあるリズム、多層コーラス、ピアノを重ね合わせた、Post-Rockにも通じる壮大なトラック。

こうしてみてくると、これまでの作品で見せていた自らの持ち味を生かした上で、一歩別世界へと踏み出しているような印象を受けます。どれか曲単体を抜粋して聴いただけでは、この作品の何たるかを感じることは、きっとできないでしょう。耽美性や幻想性、浮世と宇宙、秩序と混沌、それらと混じり合うような、力強さ(機械的なダイナミズムと人間的な感情性)。とても不思議な作品。力作だと思います。


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