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Biawak

 Biawak



 - Say goodnight



 - Amnesia


 Keywords : Ambient, Electronic, Emo, Indie, Melodic.


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ドイツ在住のミュージシャンと思われるBiawak。聴きなれない“Biawak”という言葉は、インドネシア語で“トカゲ”を意味するそう。

なぜトカゲなんだろうと思うわけだけれど、実際よく分からない。あまりポジティヴなイメージはそこにはないし。まあ生理的に嫌いっていう人もいれば、カッコいいと思う人もいるけれど、一般的にはあまり好意をもって迎えられない。トカゲ。

SoundCloudを見る限り、ここ1年くらいでトラックの公開が始まっている様子です。現時点で10トラックが公開されていて、ほぼすべてがフリーでダウンロード可能。おそらく一人で作っていることも関係あるんでしょうが、打ち込み感が強いサウンドになっています。実際聴いてみての手触りですが、けっこう音楽的に幅広いように思うんですよね。安定していないとか焦点が定まっていないとかいう言い方もできるでしょうが、根っこにあるインディっぽさといいますか、突き抜けきっていない蒼さのようなものが一本の筋になって、各トラックをつなぎとめているようにも思います。

Downtempo/Hip-Hopのリズムを活かしたトラックだったり、IDM/Electronicaっぽいアブストラクトなトラックだったり、Guitar Pop/Shoegazeっぽいトラックもあったりして。でも全部“ぽい”ってところが味噌で、すべからく中庸なのです。どの方向に対しても突き抜けていない。それを面白さと見る向きもあるでしょうし、煮え切らないとヤキモキする人もあるでしょう。私は面白いと思ってる方ですし、この雑多なトラック作りはポジティヴにとらえれば一人でやってるがゆえの“個性”ともいえるでしょう(そういえば最初に公開された様子の‘Luz estelar’のトライバル感は、ちょっとトカゲの歩みっぽいかもね)。

近しいトラックを聴くと、Guitarを活かした方向に傾いてきてるのかなとも思うんですが、どうだろう、そんなこともないのかな。たとえば、‘A Million Miles’のドライヴ感、ヴォーカルの裏で軽やかに舞うメロディ(シンセかな?)、よいですね。ナイーヴな声質も手伝って(エフェクトかかってるけど)、Emoのイメージがあります。今んとこ最もドラマチックなトラック‘Say goodnight’も実にEmoくてワクワクします。サウンド・プロダクションが変わればすごい化けそうな気がするんですが、それはつまり現段階でも匂いたつ才能が感じられるということです。やっぱりメロがよいです。

まとまったリリースはしないんですかねえ。



endless natsuyasumi

endless natsuyasumi
(image from Speed Up!



 - the long journey



 - shining times


予定のない休みとはいえど、部屋にいると暑くて何をする気力も奪われてしまうので、外に出るようにしている。もちろん外も暑いのだけれど、建物の中はたいてい涼しい。私は買い物をし、飯を食い、考え事をしながら歩く。

フト思ったのは、平日だというのに、妙に賑やかだということ。決して観光地などに来ているわけでもなく、たかが隣町なのに。もっと閑散としていてもいいはずだ。実際いつもはひっそりとしている町が、妙に活気づいているではないか(いやそれもたが知れているのだけれど)。

学生のグループが複数プラプラしているのを見て、ようやく気付く。

“ああそうか、夏休みじゃないか”と。

それでこんなに静かな町にも多少なりとも賑わいがやってきたということか。

私は心の中でひとりごちる。

すべての行動にワクワクが伴っているような、その若いグループたちのはしゃぎように、私はくすぐったい気持ちになってしまった。

炎天下のホームで、ベンチに座り、列車を待つ。

駅に隣接した惣菜屋の窓から、陶器の触れ合うカタカタという音が聞こえる。空腹が刺激される。

自分にはもう、あんな“夏休み”は二度とこないなあと、ボンヤリと、しかし実感した。

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一向にまとまったリリースをしてくれないので(そこにはいろいろな事情はあるだろうけれど)、変則的な形で紹介しますが、このendless natsuyasumiのノスタルジックなサウンドが私は大好きなのです。ジャンルで括れば、やはりVaporWaveになるのでしょうが、その中でも私の大好物であるノスタルジア特化型VaporWaveがさく裂しています。以前ミックステープにもしれっと入れておりましたが、依然ディグられている気配がないのは、やはり宣伝活動を積極的にしていないからでしょう。ネット上のスペースもSoundCloudくらいしかないようですし。

2014年末からの活動のようですが、決して多作家ではなく、現時点で公開されているトラックは8トラックのみ。トラックのリリース間隔はどんどん間遠くなっていて、最新のトラック‘the long journey’と、‘contemplation’の間は4カ月空いている。待たせすぎということはないけれど、このままリリースが遠のいて、ある日ふいにいなくなっちゃうのかもなあ、なんて思いも持っています。

サンプルベース、かどうかはハッキリしませんが、イージーリスニング調のゆるやかでリラクシンなメロディを使いつつ、エフェクトを加味することで、リスナーの内なる思考のベクトルを未来から過去へと変換し、すなわちノスタルジックな景色を見せてくれるのです。

一番好きなのは‘shining times’かなあ。なんといってもシャイニングタイムスですよ。輝く時間。上に書いたような私の心情にすごくフィットするんだよなあ。“あの輝き”に対するノスタルジアと、“もう戻らない”という事実に対する、一抹の空しさ。ちょっと感傷が過ぎるかもしれませんが。

“終わりがあるということは救いなんですよ”と言ったのは、中学の時の倫理の先生だったか。それは命についての話だったけれど、だから終わらない夏休みなんていうのも、それはそれで・・・ねえ・・・怖いものなんだろうけれど。でも人は手に入らないもの、手に入れてはいけないものにこそ、憧れるのでしょう。endless natsuyasumi。

トラックは今現在すべてフリーでダウンロード可能です。気になる人はゲット。



ςherishh – TRAGIC COINCIDENCE

 TRAGIC COINCIDENCE Cover

 – Tracklist –
 01. loose leaf
 02. cloud candy (w/ defkon)
 03. yuma
 04. bullet train
 05. you (w/ octbr)
 06. mystical
 07. no answer (outro)


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 Release Page :
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 Release Date : 2015.04.20
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, ChillWave, Electronic, Future, IDM, Melodic, Post-Trap.


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先ごろの“PAPER CRANE VOL. 1”にも参加していたサンディエゴ日本のトラックメイカーςherishhの初作が、完全フリーで公開されています。もともとはhers.という名義で活動していたようで、SoundCloudにはその頃のトラックも公開されていますいました。

何の気なしに聴いていたら、やたらとMelodicな作品になっていて、ビックリしてしまいました。確かにイマっぽいサウンドではあります。Hip-HopやPost-Trapのビート、Wavyなシンセチックな電子音、耳に優しいメロディたち―それはFuture Bass/Bubblegum Bassと呼ばれるサウンドに属するといって、間違いはないでしょう。私自身が特にそのシーンを掘っているわけではないので(じゃあどこなら掘ってるんだ?っていわれると、甚だ疑問)、いちがいにこの作品がそのシーンの中でどうこうと言ってしまうのは危険ですが、とりあえず感じたことを書きましょう。

Popなフィーリングはあれども、良くも悪くも感情をうかがわせない、プラスチック・ドリームとでも呼べる、カッチリとしたカラフルな景色が、私のFuture Bass/Bubblegum Bassに対するイメージです。この作品の中でもM-2などは、非常にそのイメージに合致します。VGMを思わせるLow-Bitな響きや、螺旋階段を下りていくような、グルグルとした音の連なり。ただ、冒頭にあるピアノと環境音(水の流れ)は、情景喚起の効果をもっていて、一瞬ですが頭の中に透明な景色が広がります。トラックの展開中にそれは消えていきますが(なぜならダイヤルアップの接続音とかコッソリ挿入してあって、自然風景は追い払われるのです)、最後にまた戻ってきて、これがM-3の冒頭にある、たおやかなギターにそのままつながっていくという、ニクいトラック配置。このM-3も出だしはやたらとメロウで哀愁漂っていて、非常に抒情的。夕暮れ時に吹く、肌寒い風、のような(何ならシンセもちょっと控えめに感じられる)。

M-4もWavyなシンセを前面に据えながらも、決して突進力にたよらない、どことなく長閑という形容も似合う景色を描き出していて、異色な気がします。派手な装飾にごまかされがちだけど、使っているメロディはすごくエモーショナル。聴き手の感情をくすぐります。そしてここでも遠くに電車の音が聴こえてきますが、これがそのまま次のトラックの頭につながっていくのです。ピアノの流麗な流れと電車の走行音、どこかから引っ張ってきたナレーションが重なり合って、ぼんやりとした旅情(のようなもの)が描かれる。そして始まるFuture soundはElectronicな質感でにぎやかなのだけれど、それは道中の楽しさを表したように、再び電車の走行音に飲み込まれて消えていくのです。旅の終わりってちょっと悲しいですよね。そんな感じです。

追憶を呼ぶような電子音のディレイが印象的なラストトラックもそうだけれど、空間を感じさせる音作りです。確かにFuture Bass(あるいは“Neon”と呼ばれるサウンド)やBubblegum Bassの影響下にあるスタイル(どっちかといえば前者が強いか)ですが、環境音の挿入などにも表れているように、表現が風景的で、そこが彼のサウンドの特徴にも思います。だからガッチガチに音が詰め込まれているというイメージはなくて、かなりメロディに寄せてきているということもあるんでしょうが、ある種の隙(すき)のようなものが感じられるサウンドです。それがダメだということではなくて、その隙―余白がリスナーにイメージの余地を与えているという意味で、よいところだと思います。

興味を持った方は、これまでのトラックも多くがSoundCloudからフリーでダウンロードが可能になっていますので、ぜひ訪れてみてください。哀愁のChillでWavyなFuture Bassサウンドがさく裂しています。ちなみに今作、SoundCloud上では各トラックに短い記述が付されています(丁寧に、トラックごとのイメージもきちんと用意されている ≫ 追記:現在はセットリストごと削除されています)。読んでいると、どうもトラック数がもっと多かったようなんですが・・・、カットされたんでしょうか。

追記:“TRAGIC COINCIDENCE”、およびSoundCloudから消失した過去トラックを含めたファイルが、一括ダウンロード可能になっています(≫ here)。Thank you for sharing!



 - be back later w/ xenosys



FruitsClippers – SIRENA

 FruitsClippers - SIRENA

 – Tracklist –
 01. BUBBLEWRAP
 02. STARGAZER
 03. PRINT ERROR
 04. SEASHELLS
 05. FLAVOUR FEVER



 - 04. SEASHELLS


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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2015.03
 Label : Not On Label

 Keywords : Electronic, Pop, Techno-Pop, Tropical.


 Related Links :
  ≫ FruitsClippers on SoundCloud / on Tumblr / on YouTube


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カナダのアーティスト、FruitsClippersの新作がリリースされています。一作目“FRUITS”も、やはりSoundCloudで公開されていますが、7曲収録のアナウンスがされているのに、5曲までしか公開されておらず、またリリース先として設定されているbandcampもいまだ開設されておりません。まあそこには何がしかの事情があるのでしょう、与えられた5曲を楽しむのが吉ですし、私はそうしています。

毎回ジャケットイメージが可愛らしくて、一作目“FRUITS”は、キウィフルーツとハサミ(Clipper)を組み合わせたシンプルなイラストで、今回は“SIRENA”(人魚)とハサミを組み合わせて、なんともシュールでクールなイラストになっています。DeviantArtにあるイラスト群とタッチが同じなので、おそらく自らデザインしているのではないかと思います。

このFruitsClippersという名義もそうですし、またDeviantArtで公開しているイラストのモチーフを見ても、中田ヤスタカの一連のプロジェクト、広くは日本のエレクトロなPopに、強く影響を受けていることが分かります。“FRUITS”ではEspeciaの作品からヴォーカルをサンプリングしていることからも(今作でもやってるのかな?)、日本のその界隈へのアンテナを持っていることは間違いありません。

中田ヤスタカ、ということですと、一作目の方が、その直系だったかなあという気がします。どこがどうって私には言えないんですけれど、使っている音色だったり、エレクトロなドライブ感だったり、キュートな雰囲気が、ヤスタカ節を感じさせる部分が多かったように思います。今作も別にPopでないということはないんですが、ちょっと違う方向に進んでみてるような、そんな印象もあります。人魚ってタイトルも関係あるのかないのか、やっぱりTropicalなイメージをさせるサウンドになっていて、その辺りも、影響していると思います。ヤスタカサウンドにTropicalなイメージってないですもんね・・・。そういう意味では冒険、チャレンジに踏み出していて、好印象です。

ビーチと太陽、はしゃぐガールが浮かんでくるM-1、ちょっぴり陰りのあるアダルトなM-2、ミニマルなVGM感漂うインタールードM-3、もっとも歌メロの立った、軽やかなM-4、ちょいとサンバチックなM-5で締めと、楽曲のカラーも分けられていて、よい感じです。もっとグリッターでパンチの聴いた音作りになると、完全に私の好みになるので、是非ともその方向に進んでほしいところですが、果たしてどうなりますか。期待してます! 

ちなみに彼は映像クリエイターとしての顔も持っていて、影響源はさまざまあるようですが、クオリティの高い作品をいくつもYouTubeで公開しています。興味のある方はそちらもチェックです。


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CONTROL (Music by CAPSULE)






DRINKER (Music by Kyary Pamyu Pamyu)




NEXUS ゴス – STOCK FOOTAGE EP

 NEXUS ゴス - STOCK FOOTAGE EP

 – Tracklist –
 01. Malibu Barbie®
 02. THEあなたのNIGHT心
 03. まんこMIAMIお金WEED
 04. Casino Night Act 2
 05. Dream(‘s)cast


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 Release Page Deleted!

 Release Date : 2015.03
 Label : Not On Label

 Keywords : Chopped & Screwed, Electronic, Melodic, Sample-Based, Toshiki Kadomatsu, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ NEXUS ゴス on SoundCloud / on YouTube


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デフォルメされたギリシャ彫刻(何かのアニメからの引用だろうか)を、自身とその作品のモチーフにしている、NEXUS ゴスの作品です。VaporWaveといえば、いつの頃からか、ギリシャ彫刻をイメージに用いることが多くなりましたが、ここに見られるデフォルメは、そのままVaporWave(のフォーマット)を簡略化して、分かりやすくしたような、彼/彼女のサウンドに通じるような気もします。

ノスタルジックな調子のMuzakがノイズに浸食されていく‘Malibu Barbie®’こそ、ちょっと演出効かせたVaporWave/Mallsoftですが、M-2‘THEあなたのNIGHT心’とM-4‘Casino Night Act 2’では、サンプルベース(角松敏生の‘I Can’t Stop The Night’、および‘Springin’ Night’)のまったく衒いのないChopped & Screwedが、原曲のスクラッチ音すらそのままに披露されていて、そこから発せられる異形化された(ドラッギーで)レトロフューチャーなアーバン・フィーリングのみが、VaporWaveらしさを保っていますが、あまりにもストレートすぎて、いやVaporWaveを標榜するトラックの中にはそういうものもかなりの量ありますし、ぜんぜん珍しくはありませんが、こんなにクリアなトーンで、ストレートにやられると、グウの音も出ません。一瞬ああいい曲だよねって思っちゃうけど、いやそれオリジナルのメロディだからな!って自分にツッコミたくなってしまいました。甘く危険な香り。

確かにVaporWaveのタグが使われていますし、J-Popに対するChopped & Screwed(そして放たれる80s~90sのアーバンな空気)や、インスト曲におけるMuzak感は、それに反していません。しかしChopped & Screwedに特化したスタイルで、しかもこの素材のゴロゴロ感(たとえるなら丸ごと野菜のスパイシーカレー、みたいなゴロッと感)の甚だしさは、もしかしたらHip-Hopの側からも見てみるべきなのかもしれません。

Chopped & Screwedの面白さ、異形感というよりは、角松敏生の歌のよさが目立ってしまっている、目立ちすぎている気がします。いやもちろん、あえて目立たせてるのかもしれませんが。作品としてはまとまってるし、聴きやすいし、分かりやすいし、けっこう好きなんですが、そこがすごく気になるところでした。塗り絵のリンゴを赤く塗ったような、お手本通りのサウンドには、安心感と同時に物足りなさも感じてしまうのです。もしかしたら次はないかもしれませんが、何か面白いヤツ、期待してます! 今作はまずは基本、ベタから抑えてきたってことで!(そう、ベタ、ベタなんですね、今作。その言葉がしっくりきます。悪い意味ではありません)。

私の中で同じ領域に入っているのが、今すぐ思い出せるところだと、Groovy Godzillaの“Godzilla Got Busy”(山下達郎や当山ひとみネタのFuture Funk~Japanese Disco)とか、承YOUNG_SAD_ZEPPELI 啊の“治療を夢見る​/​/​dream treatment”(大橋純子や森高千里、中森明菜[!]ネタのChopped & Screwed/VaporWave)とか。あまりにストレートな引用に基づいた享楽的なそのスタイルは、もしかしたらVaporWaveと呼ばれる音楽がもたらした功罪、なのかもしれません。

あと、今作とほとんど同時に“Liquid Nostalgia on コンパクト DISC”も公開してましたが、あえなく消されてしまいました…。



Arca – &&&&&

 Arca - &&&&&

 – Tracklist –
 Arca – Knot
 Arca – Harness
 Arca – Fossil
 Arca – Feminine
 Arca – Anaesthetic
 Arca – Coin
 Arca – Century
 Arca – Mother
 Arca – Hallucinogen
 Arca – Pinch
 Arca – DM True
 Arca – Waste
 Arca – Pure Anna
 Arca – Obelisk





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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2013
 Label : Not On Label

 Keywords : Abstruct, Ambient, Beats, Dub, Edit, Electronica, Glitch, Hip-Hop, Industrial, Strange.


 Related Links :
  ≫ www.arca1000000.com
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You don’t know just I feel…

分かりたいのに分からないという、上手くいかない恋人同士のようなイメージを、このArcaのサウンドには持っています。いや、そもそも“分かる”ってどういうことなんだろう―それはArcaに限らず、音楽に限らず、“分かる”とはどういうことなんだろう? 今作その他のArcaの作品を聴いていると、そんな難しい問いが、頭に渦巻いてくるのです。音楽を分かるためには何が必要なのでしょうか。いや、何か必要なのでしょうか。何かを知らなければ、彼のサウンドを正当に(そんなものあるのか知らないけど)評価することはできないのでしょうか。生い立ちや音楽的ルーツ、影響源、彼につながる先人たちなどを抜きにして、音に対する表現だけを行おうとするとき、“言葉にできない”という表現は、確かに今作によく似合います。

当たり前だけど聴いて感じたことが真実です。真実は主観的なもので、つまり私にとっての真実を書くと、今作は“よく分からんな”という作品になります。私にとって音楽的な気持ちよさというのは、ここにはありませんでした。でも巷ではやたらと話題(賛否を含め)になっていた2013~2014年、という事実があります。ここで初めの言葉に戻りますが、そう、分かりたいのに分からないのです! なんで、どうして、ぜんぜん良さが分からんなあ、オレおかしいのかなあ、なんて思っちゃったりもして、何回も聴くわけですが、音楽ファンにありがちな“それほどよくないのに何回も聴いて何となく良いんじゃないかと思わせようとする”パターンも成功せず、手に入れてからしばらく評価は定まらず、時間だけが過ぎていきました。まあ(特に今作は)Hip-Hop/Beatsの向きが強いし、自分はブラックミュージックに反応できないし、そこんとこが大いに関係しているんだろうな、なんて思って、悔しくも諦めていたんですが、ヴィジュアル面での表現を見て、興味が再燃しましてですね。

この作品を聴いたときに、最初に頭の中でリンクしたのが、不思議と(?)Nine Inch Nails(NIN)だったんです(あんまり関連付けている文章はないかもしれないけど、でもどっかにあるとは思います)。Pop度でいったらぜんぜんNINの方が上だけれど、先人たちの作ってきたサウンドを踏まえた上で、エポックメイキングな、新奇性の高い(そして情報量過多な)サウンドを作り上げてきたという点で相通じる部分がありますし、何より先日の投稿に書いたように、私が初めに聴いて“よく分からんな”と感じたところが、まんま重なるのです。もちろんArcaの紹介には奇才Aphex Twin(Richard D. James)が関連付けられることが多いですし、Arca(Alejandro Ghersi)と映像作家Jesse Kandaのコンビが、RichardとChris Cunninghamの関係を彷彿させるというのも、大いにうなずけます。

話をNINとArcaに戻しますが、まずArcaの‘Thievery’(“Xen”収録)のビデオを見て、グロテスク/ビューティフルなイメージと、その力強さに圧倒され、一瞬で引き込まれました。“TRAUMA Scene 1”などにもある、怖いもの見たさにも似たその吸引力がまた、一時期NINのMVが持っていたものと、非常に似通っているように、感じられたのです。ちょうど”BROKEN”から“The Downward Spiral(TDS)”の頃です。かなり直接的にグロテスクな表現を行っていて、ボンテージで身動き取れない人間の口に便所の汚水が流れ込んだり、マゾヒスティックな快楽を求める男が全身ミンチにされたり、蝿が無数に飛び交う部屋の中で、男がステーキを頬張り、ワインを飲んだりといった内容でした(公式的には世に出なかった“The Broken Movie”は、殺人過程を記録したような形で、ペドフィリアやネクロフィリアの要素も含まれた、性的に倒錯した非常にショッキングな映像になっていて、今でこそ普通に見れてしまいますが、一昔前はかなりレアな代物でした。内臓感覚どころか内臓露出な映像なので、ご覧になる方はその点承知の上でお願いします。ちなみにディレクターはPeter Christopherson)。

そんなように、倒錯した内面性の発露とでもいえる、強い感情性をうかがわせる点で、ArcaとNINのサウンド/ビジュアルに共通項を感じ、またArcaのサウンドにRock的なものを感じたのです。そして視覚的要素の力というのは凄まじいもので、Arca & Jesse Kandaの作品に触れていく中で、私の中にArcaフォーマット、Arca受容体とでもいえるものが誕生したのです。感覚的にいうと、“ああ、こういうふうに聴いてよいんだな”と、(ある意味)“分かった”ということです。

なぜこんなにもArcaの表現がセクシャルなのかというのは、ele-kingさんの記事―“interview with Arca ベネズエラ、性、ゼンとの出会い”を読むと、分かるような気がします。どれほどArcaの表現がシリアスなのかというは分かりませんし、もしかしたら無邪気なものなのかもしれないですが、でもArcaのサウンドイメージをここまで見事に視覚的に表現してみせる、そして決定づけるJesse Kandaの役割というか、2人の関係性というものには、神秘的なものすら感じてしまいます。

音だけでいうと、聴いた中ではこの“&&&&&”が一番好きです。冒頭の‘Knot’にある、振動する空間とかかなりシビれます(私の中ではこの辺のダビーな感じも、NINに通じるんです)。“Xen”収録の‘Bullet Chained’もよいです―ストレンジなビートとレイヴなシンセはレゲエのミュータントのようでもあり。真似しようと思っても誰も真似できないでしょうね。映像も含めると、やはり‘Thievery’が好きで、ずっと見てたいくらいです、この動き。あとは‘Now You Know’の機械的浮遊感とコズミックな美しさも好きです。超高圧縮な人造感覚。

余談ですが、NINとAphex Twinは昔に組んでいるんです。TDSに対するRemix盤“Further Down the Spiral”の中で、‘At the Heart of It All’と‘The Beauty Of Being Numb’の後半(“Section B”と呼ばれる)を、Aphex Twinが担当しています。RemixというよりはNINにインスパイアされた結果作ったような、オリジナリティあふれるトラックで、当時非常に魅了されました。何が言いたいかというと、次にNINのRemix作があれば、是非Arcaに参加してほしいなあということです。在り得なくはないんじゃないか、と思います。

※私の持っていた“Arcaの何がそんなにすごいのか”という問いに、もっとも食い込んできたのはthe sign magazineにある竹内正太郎さんの記事でした。≫ “2014年最大のセンセーション、アルカの「新しさ」を紐解くコンテクストとは何か?その① 「ネット上で生まれた、創造主なき新たな生命体としての音楽」


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Amun Dragoon – Socotra Island

 cover

 – Tracklist –
 01. Mystic Water Zone
 02. The Wind is Dreaming
 03. Martial Law
 04. Fishing
 05. Emerald Grove
 06. The World Egg
 07. Amie
 08. A Walk Planted With Trees
 09. Your Journey Leads Here
 10. Lunch
 11. Spooky Elevator (feat. Madalyn Merkey)
 12. Submarine in the Ocean Forest
 13. Celestial Sky City
 14. Tamagotchi Treasure
 15. Monster
 16. Silk Mirage
 17. Tall Fruit



 - 03. Martial Law



 - 12. Submarine in the Ocean Forest


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 Release Date : 2015.01.13
 Label : Not On Label

 Keywords : Ambient, Easy Listening, Muzak, NewAge, Nostalgia, Synthesizer, VaporWave.


 Related Links :
  ≫ Amun Dragoon on Last.fm / on SoundCloud / on bandcamp


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Amun Dragoon(アムン・ヅラグン)の最新作が完全フリーで配信されています。けっこう前に出すようなことを告知してから時間が空いたように思いますが、モチベーションなくなってしまったのかと心配しておりましたので、こうしてリリースにこぎつけてくれただけで、素直にうれしく思います。

もともとVaporWaveのカテゴリに入れられつつも、そこに収まらないサウンドを鳴らしていましたが(前回取り上げたときにもその方向で書きました)、今作でもはや完全に、VaporWaveを引き離し(引きはがし)にかかっています。プレなのかポストなのかは分かりませんが、VaporWaveを対岸に見ながら、ノスタルジックな顔をしている気配。SoundCloudでは今作について“Tutorial”というタグがついていますが、いったい何についてのチュートリアルなのでしょうか。

タイトルのSocotra Island(ソコトラ島)というのは実在する島の名前です。Wikipediaによれば、“世界遺産に登録される独特の生態系と、その奇観で知られる。 紅海の入り口に位置し、ジブラルタルと並んで地政学的に重要なこともあって、第二次世界大戦やそれに類する戦争を扱った架空戦記などにもしばしば登場している”とのことです。有名なのは竜血樹(dragon tree)でしょうか。その島での過ごし方に対するチュートリアル、という意味合いなのかもしれませんが、各トラックに付されているコンピュータ・グラフィックス(CG)を見ていると、実在の島というよりは、架空の島を想像してしまいますね(organicではなく、inorganic)。ちょうど、私の好きな“MYST”とか、まさにあの雰囲気です。神秘的で、謎に満ちた島。過去も未来も一緒くたにしたような特異な文化、技術、デザインがあふれる島。

そういったいわばヴァーチャルな島といったイメージを使ってくる辺り、それとNewAge経由のmeditativeなAmbientが組み合わされている点は、やはりVaporWaveを踏まえている(つまりPost-VaporWaveな)気もします。音楽単体で見ると、NewAge/Easy LinteningなSynthesizer musicといったところでしょうか。M-3‘Martial Law’にあるこのシンセ感とかどうですか。何だかちょっと日本のレトロな歌謡曲っぽいし、この大げさなシンセサイズな感じをあえてチョイスする、そのレトロスペクティヴな志向。私のノスタルジャーな気質をたまらなく刺激してくれます。‘Fishing’もメチャクチャ牧歌的なシンセミュージックになっていて、ちょっとどう受け止めたらよいのか、戸惑うくらい。

それから今回はVocaloidと思しき合成音声も使われていて、そのことも今作のシンセサイズな聴取感を強くしていると思います。聴き取れない言葉をミニマルに反復する、童謡のような‘The World Egg’がそれにあたります。作品全体ではAmbient系が大半を占めていますが、M-5‘Emerald Grove’やM-12‘Submarine in the Ocean Forest’のアフターサマーなサンセット感・チル感もよいですし、ウェットなレイヤーにPianoを配した‘Amie’の物憂げな空気もよいです。シリアスで深遠なラストの‘Tall Fruit’も望郷感/寂寥感にあふれていて引き込まれます。

作中で最もドラマチックな‘Celestial Sky City’ではシタールの音色も使われていて、エスニックかつAncientな気配。関連して、M-10‘Lunch’のイージーなトライバル感も面白いです(火を囲んでの宴のようなイメージですね)。M-15‘Monster’もどこか不穏なシンセミュージックだし、やはりAmun Dragoonの場合は幸運なことに(?)トラックのタイトルとサウンドのイメージが結びつけられているようです。ということは、これはやはり、Socotra Islandのチュートリアル・・・? よくよく見ればジャケットイメージには森へ向かうヒヨコ(のようなもの)の軌跡が描かれている。秘密の場所への案内図、なのかもしれない。確かに、少なくとも今作は、ここではないどこか(virtual island)へ、リスナーを案内してくれる。

一見トっ散らかった内容に思えるかもしれないけれど、通して聴くと意外に違和感がなくて、どこに一本筋が通っているのだろうと、不思議に思えてきます。ちょっとレトロで、とても不思議なシンセサイザー・ミュージック。VaporWaveの追跡を飄々とかわした気配。今後もレトロスペクティヴでミスティックなシンセサイザーミュージックをお願いします。



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