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カテゴリーアーカイブ: Cuntroll

Samsara Inc. ‐ Possible Worlds [CUNTROLL092]

 cover
 
– Tracklist –
 01. Before winter ends
 02. Deep inside her eyes
 03. Episodes of other madness
 04. Gravity
 05. Hope
 06. Inner city night



 - 01. Before winter ends


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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2016.03.01
 Label : Cuntroll

 Keywords : Acoustic, Chill, Downtempo, Melodic.


 Related Links :
  ≫ Samsara Inc. on Last.fm / on SoundCloud / on PROMODJ


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ロシアンネットレーベル、Cuntrollより。以前に紹介したこともある、シベリア南部はアバカンのトラックメイカー、Samsara Inc.の新しい作品がリリースされています。

ピアノのメロディと、生っぽい、艶っぽいギターの邂逅、そしてElectronicなリズムと、音作りは前作と大きく変わったところは見受けられませんが、感覚的な部分で言うと、郷愁が軽減されて、爽やかさが増したような、そんな印象を持ちました。M-1‘Before winter ends’などを聴いていると、ウィンドウチャイムのようなサラサラ、キラキラした効果音や、シンセのアクセント、ブラスの音色まで入り込んできて、幕の内弁当の様相で食べ合わせはバッチリ美味いという仕上がり。しかもリズムはDrum ’n’ Bass(!)。

やっぱり相変わらずLoungeっぽいソフト感というか、イージーなフィーリングみたいなものが漂っているのだけれど、肝になっているのも相変わらずギターの音色だと思うわけです。伝わりにくいかもしれないけれど、このインディーな雰囲気というんですかね、どこから引っ張ってきた―つまりどこに影響源があるのかは分からないんだけれど、インディーギターロックバンドみたいなギターフレーズをチラっと垣間見せるときがあって、その拍子に私の琴線はブルブルと応答してしまうのです。このギターの生っぽさ、感情性というやつは特に全編で発揮されているというわけではないんだけれど、この部分がやっぱりSamsara Inc.のサウンドの肝になっていると思うので、もっとギターを聴きたいなあと、素直に思う次第であります。

別に世界中の音楽を聴いているわけでもないくせに、何かと“ロシアは独特”と、頻繁に私は書いていますが、今作を聴いてもやっぱり独特だなあと思います。大味なのか細かいのかよく分からない音作り、上にも書いたように影響源がストレートに感じられない、エッセンスのミステリアスな混合具合。‘Hope’なんて、ハートの鼓動やグラスの割れる音を小道具に使いつつ、先にも書いたようなインディギターな出だしからピアノが転がりアラ爽やかと思ったら、中途からいきなりWavyなシンセが前面に出てきてうねり始め、どこかしら牧歌的な風景が広がるという、謎の感覚が魅力的だったり。そのつながりでいうと、謎のシンセ音?かスクラッチ音?だか分かりませんが、鳥獣の鳴き声のようなキュイキュイした高音が鼓膜に切り込んでくる‘Episodes of other madness’も面白いですね。ラストの‘Inner city night’はタイトル通り、夜の街、アダルティな雰囲気で渋くまとめてきます。

トータルで約20分という短い作品ですが、コンパクトにまとまっていて、よい作品だと思います。総じてMelodicだから、非常に聴きやすいです。季節の変わり目にふさわしい、爽やかで、ちょっとだけ切ない音像が好ましい。


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(CC) by – nc – nd 3.0



The Buddhas – Outdoor [CUNTROLL087]

 The Buddhas - Outdoor [CUNTROLL087]

 – Tracklist –
 01. Vanilla Radio
 02. Finder
 03. Picnic
 04. What
 05. Evening
 06. Breakfast
 07. City
 08. Home


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 Release Date : 2015.05.14
 Label : Cuntroll

 Keywords : Downtempo, Electronic, Hip-Hop, Melodic, Trip-Hop.


 Related Links :
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ロシアンネットレーベル、Cuntrollより。The Buddhas(Anton Khabibulin)の作品が、フリーでリリースされています。

ドラムマシンに生演奏やそのルーピングを重ねた、スタイルとしては特に珍しくないし、またテクニカルなことをやっているわけでもありません。でも良いんです。8トラックでも収録時間は20分もないし、つまりトラックの尺はいずれも短いから展開もそう多くなく、ミニマルな構成がほとんどなんだけれど、それでも良いのは何故なのかという話。 つきつめると音楽を聴くのは何故なのかというところにまで話は及ぶのかもしれませんが、少なくとも今作では、私にとっての良い音楽の条件のいくつかが満たされているということです。

使われている音色の良し悪しと、メロディの有無と、そこに景色が見えるかどうかという、ひどく主観的な条件にはなりますが、今作は非常にシンプルでありながら、それらをクリアしているのです。音色の部分で印象的なのは、ほぼ全編で用いられているギターの演奏。下のスタジオライヴの動画を見ても分かるように、エレクトロニクスを活かしたサウンドメイクでありながら、聴き心地に有機的なものを感じるのは、このギター演奏によるところが大きいのではないかと思います。今作ではクリアなトーンのギターが鳴らされていて(他の作品では違う傾向もある)、メロディはいずれも柔らかく、暖かい景色を喚起するものです。トラックによっては少しの抒情性、物悲しさが覗いているのが、また良いです。

“Outdoor”というタイトルが作品のイメージになっているのでしょうが、‘Finder’‘Picnic’‘Evening’‘City’など、屋外への視点、興味・関心を思わせるトラックタイトルが並んでいます。私が一番好きなのは‘Breakfast’なのですが、これも考えようによっては、ピクニックでの朝食と、そう捉えることも出来ますし、そうするとやはり屋外=outdoorの一幕と位置付けることも出来ます。ラストの‘City’‘Home’という並びからは、屋外をグルリと経て街を通過し、我が家へ帰り着いたというような、そんなシーンを想像することも出来ます。丁度クロージングとなる‘Home’は、夜の訪れを予感させる、まどろむような調子になっており、旅の終わり、一日の終わり、それすなわち安らぎの眠りを表現しているのかもしれず、そうするとあながち私の解釈も間違っていないのかもしれません。

Hip-Hop/Downtempoのリズムとささやかなエレクトロニクス、それらに重ねられる、やさしい楽器演奏。すごくジェントルな佇まいで、好きですね。良い作品だと思います。SoundCloudにある“TheBuddhas”ではまた毛色の違うサウンドを聴くことも出来ますので、興味のある方はぜひそちらも。


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LIVE #1 – The Buddhas in the studio (27.10.2014)



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Sound: Anton Khabibulin
Photo/Design: Dmitriy Semyonushkin

(CC) by – nc – nd 3.0



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