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カテゴリーアーカイブ: Ocean Network

.andreathelight. – aqueon odyssey [OCEAN_002]

 .andreathelight. - aqueon odyssey [OCEAN_002] Cover

 – Tracklist –
 01. transfer
 02. adjustment
 03. stasis
 04. velvet dragon
 05. killing the reflection
 06. NovAqua+
 07. advanced formula
 08. 7.0 pH
 09. astaxanthin flexin
 10. fluorescent sunrise
 11. bubble nest (seduction)
 12. ikan betah
 13. Melaleuca 0.1%
 14. rot
 15. life review
 16. final descent // first ascension



 - 04. velvet dragon



 - 15. life review


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 :: Tapes to come at a later date. ::

 Release Date : 2016.10.19
 Label : Ocean Network

 Keywords : Ambient, Dream, Drone, Escapist, Ocean.


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中国生まれ(らしい)のネットレーベル、Ocean Networkより。アメリカのトラックメイカー.andreathelight.の作品です。

レーベルとしては“Escapist music and deep sea dreams~”を標榜しておるようですが、初めて聞きました“Escapist music”って。でも突き詰めれば音楽ってみんな逃避的側面あるよな、少なくとも音楽聴いて現実的になるとか理性的になるとか、それは音楽聴いてるとは言わないと思う私は。そんな中であえて逃避音楽を掲げるレーベルのリリースやいかに、ということですが―

.andreathelight.自体の初出、初めての作品はVelvet Bazaarからの“melodies of love”になるようですが、これは“sailor moon”(セーラームーン)をタグ付けした、smooth jazz~pianoなVaporWaveテイストあふれるムーディな作品だったのですが、そこにおいてもAmbientな空間づくりはすでに見られています。以降もコンスタントに(見方によっては性急に)作品を出していますが、VaporWaveの要素は残滓のように感じられ、総体的にはAmbient/Droneの方向に舵が切られています。それはときにはダークでシリアスなムードを持つほどに。

今作は今現在のリリースの中ではもっともバランスのとれた、.andreathelight.の音楽性を総括するような作品ではないかと、そう思います。冒頭から、入水の効果音~動物たちの嘶(いなな)き、ワールドミュージック的なサウンドと、瞑想への準備が行われます。続くM-2が作中で唯一VaporWaveを感じさせる―といってもストレートなそれではなくて、どちらかといえばCassette/VHS感というべきかな、Lo-Fiなヒヨヒヨとしたゆらめきが追憶を誘う(よく聴くとM-15もVaporWaveのエッセンス入ってるな)。

M-3のような、IDM/ElectronicaやDowntempoを感じさせるトラックも散見されて、それらが作品を引き締めているようにも感じられます。16トラックすべてがAmbient/Droneだったらちょっと食傷気味になってしまいそうなところを、上手いことアクセントをつけて回避しています。そういう意味でも、やはりバランスがよい。冗長なトラックもないし。

‘velvet dragon’‘NovAqua+’、のようなAmbient/Droneを基調にした瞑想的サウンドが私としては白眉です。特に後者の、この明るくはないんだけど、そこに漂う奇妙な安心感。ちょっとたとえがサウンドのスケールに見合わないかもしれませんが、小さいときに風邪をひいて、部屋で一人寝ているときのような、そんな風景。誰しも経験あるのではないかと思いますが、布団の中、熱でボンヤリした頭で感じる、非日常の空間。昼下がりの不思議な静けさ。もしかして自分だけ取り残されて、みんな消えてしまったんじゃないかという、オカルトじみた妄想。そうなんとなく、なんとなくですが、.andreathelight.のサウンドには“死”を感じさせる部分があって、それは静かなものなのですが、別作品“vanishing lung”や、“contraindications”はハッキリと死がキーワードになっていますし、約30分のDroneサウンド“simulacrum ☨”にしても、非常に重々しい空気が流れていて、この手のサウンドでこういう重さを出せるって、なかなかの手練れかと。かと思ったら最新シングル“inside plasma”はTrapかよ!っていう。

‘astaxanthin flexin’‘bubble nest (seduction)’で見せる雅なテイストも上手いことドリーム感出してると思う。M-1も含めてだけど、やっぱりワールド・ミュージックも引き出しに入ってるのかもしれない。

で、突然ですけど、この作品のテーマ、何だと思います? 私わかりません。付されているテキストを読んでも謎かけみたいで何か煙に巻かれる・・・。作品タイトルとレーベルカラーから考えて、なんとなく見えてくるものはありますが、そうするとこのジャケットイメージはやはり魚の影なのだろうか。海や深海のイメージとAmbient/Droneサウンドは相性がよろしいのは言わずもがなですが、そこにVaporWaveのテイストも入ると、これはもしやFishVapour・・・。でもやっぱりs a k i 夢とはちょっと違いますね。あそこまでの水中感はない。代わりに重い(部分的に)。でも時折見せる瞑想的なAmbient/Droneサウンドは堪らんなあ。恍惚としてしまう。そんな私は立派なEscapist。応援してます。


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Note :

“though i was never conscious of it, my life had purpose. not much, but appropriate to the level of my existence and cognition. relative to some, i was purely insignificant. to others, i was a terrifying force of destruction. to one, i was a source of tranquility and interest, though i was never conscious of it.

i thrived, i felt hunger, i was afraid, i was confused, i became uncomfortable, i found safety, i explored. though i was not conscious of it, i was beautiful. i could not understand, but my life had purpose.

i wanted to kill. my body deteriorated. i failed to pass on my genes. i felt pain. i grew tired. i died.

i changed the world.

my life had purpose, though i was never conscious of it.”