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Goto80 and the Uwe Schenk Band – The Ferret Show [upfree52]

 Goto80 and the Uwe Schenk Band - The Ferret Show [upfree52]

 – Tracklist –
 01. Ponky Fonky Ferret
 02. Cable Swingin’ Ferret
 03. Decibel Detektif
 04. Thriller Iller
 05. Volksing Ferretismico


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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2012.12.11
 Label : Upitup Records

 Keywords : Chiptune, Improvisation, Jazz, Live Recording, Visual Art.


 Related Links :
  ≫ GOTO80
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  ≫ the Uwe Schenk Band

  ≫ Raquel Meyers


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イタリア、ドイツ、イギリスを基盤に活動するネットレーベル、Upitupより。Goto80(Anders Carlsson)とthe Uwe Schenk Bandのセッション作品がフリーでリリースされています。Uwe Schenkがホストとなって、2012年10月にドイツで行われたショーの中で、ライヴ録音されたものです。

Goto80はキャリアもありますし、作品数も少なくない、実力のあるChiptuneアーティスト(私でも名前を知っているくらいだから、その手のサウンドを愛好する人たちの間では、名は知れ渡っているだろう)。具体的にいつ頃からか分かりませんが、彼はオーディオとヴィジュアルを合わせての表現を行うようになっていて、近しいところでは2012年の春に行われたイベントで、C64を用いたChipsoundと、PETSCIIによるアニメーションを合わせたライヴ演奏を披露している(その他にも彼のYouTubeで、いくつかオーディオ+ヴィジュアルというスタイルの作品を見ることができる)。

この作品は上記のライヴ演奏の延長線上にあるといっていいだろう。Goto80のChipsoundと、the Uwe Schenk Bandの楽器演奏、そしてRaquel MeyersによるLo-Fiなアニメーションが一体となって、“The Ferret Show”というひとつのストーリーが表現されている。Chipsoundとジャジーなバンドサウンドの融合、という点でもユニークですが、最大の特徴はやはりジャケットにも用いられているヴィジュアルワーク、アニメーションだろう。ASCIIやPETSCIなどを用いてこれらは描かれているらしいけれど、そして技術的な部分は私には分からないのだけれど、このLo-Fiにしてデジタル感覚のアートは、まさにChipsoundと組み合わせるためにあるようなものではないか。

これまでにGoto80が行ってきたオーディオ+ヴィジュアルというスタイルの表現では、どちらかというとオーディオ部分、サウンドは添え物的なニュアンスが強かったように思う。いってみればBGMだ。それが今作では、生のバンド演奏を取り入れることで、非常にサウンドの力が強くなっている。だから今作は音楽のみでも十分に面白く、また通用する作品にもなっている。しかしながら、今作がヴィジュアルと合わせることで、真の力を発揮することも、また確か(下に今作の動画リストを貼りつけたので、是非そちらを見てほしい。音楽だけで満足せずに)。音と重なることでヴィジュアルはさらに奥行きを増し、音は音楽として存在しながらも、ヴィジュアルを支える役割も果たす。Chipsoundがフェレットの動きにあるコミカルさに結びついているとすれば、バンドによるドラム演奏は、その動きにある躍動感に、ブラスや弦楽器の妖しさは、フェレットの行動の裏にある思考に、それぞれ結びついていく。即興演奏にあるジャズ的なテンションの渦は、動物のもつ本能にある混沌を感じさせはしまいか(考えすぎか)。

この手法がGoto80の専売特許になってしまうのか、それとも音楽と映像を交えた表現手法のひとつとして広がっていくのかは分からないけれど、とにかく今作はユニークだ。大胆にバンド演奏を取り入れていながら、Chiptune‘らしさ’―キュートな感覚だったり、Joyなフィーリングが損なわれていない点も、感心する。各所でレビューされていることも、素直にうなずける。


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Goto80 & Raquel Meyers bei “Uwe Schenk trifft…”



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Goto80: original songs, live C64-magic
Raquel Meyers: animation and live visuals
Re-arrangement: Uwe Schenk

The “Uwe Schenk Trifft…” band:
Uwe Schenk: spinet
Jochen Feucht: saxophone
Markus Kössler: bass
Torsten Krill: drums

Released under a Kopimi license.

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