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カテゴリーアーカイブ: Exp-net

Jaime Munarriz – the Contemporary Mountain

 Jaime Munarriz - the Contemporary Mountain

 – Tracklist –
 01. forst
 02. swarm
 03. haze
 04. mdow
 05. scrttts
 06. nort



 - 01. forst


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 Release Date : 2016.02 (2004)
 Label : Exp-net

 Keywords : Ambient, Electronic, Forest, IDM, Nature, Mountain.


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Jaime Munárrizとjavier piñangoによるエクスペリメンタル系ネットレーベル、Exp-netより。Jaime Munarrizの作品です。2004年に作成あるいは公開されていたようですが、今回2016年に改めてリリースされた様子。

Jaime Munárriznの活動自体も多岐にわたっているようで、私把握できておりませんが、活動歴は長く、いくつかのグループにも所属してきたようです。Discogsなどを見ても、全活動が網羅されているようには思えないので、気になる方は自力で調べてください。今作に関しても今のところレーベルのカタログにも含まれていないようなんですが、どういう扱いなんでしょうね。手が行き届いていないだけかも知れませんが。

同レーベルから複数作品をリリースしてきていますが、もともとがアブストラクトなElectronic musicを作る人のようなので、今作も決して聴きやすい作品ではありません。私も正直、申し訳ない話ですが、期待して聴いたわけではないのです! “ambient”, “nature”, “forest”, “mountain”という、今作に付されたワードを見て、どんな作品かと、ミステリアスなものを感じたわけです。Field Recordingsかな?とか、予想はしたんですが、ちょっと違いました。まずは何はなくともこのM-1‘forst’のインパクトですわ。ベロベロした即興的な、弦楽器か何かわかりませんが、奇妙な楽器音が若干の水っぽいエフェクトとともに流れてくる冒頭。やがてはじまる獣たちの咆哮、鳥のさえずり、バックの音はゆがみ、夜の山のような、厳かでありながらカオスな気配。Dark AmbientやDoomのフィーリングもあるんですが、踏込はしない。その混沌具合、これだけでもけっこうなインパクトなんですが、そこに何ら奇をてらった様子もない、ノーマルなリズムをまるで気まぐれのように挿入してくるという、なんでここにこのリズムなんだ?と、ビックリついでに笑いそうになりました。そんなM-1が断然ハイライトなのですが、そうなると続きも気になりますよね。

M-2‘swarm’はハエの羽音とやはり即興的な弦の音が鳴る小品、M-3‘haze’は波か風の音のような自然音と、テロテロした浮遊感のある音色が交錯する白昼夢サウンド、M-4‘mdow’はもっともストレートなトラックでスリリングな森林探索シーンを演出、M-5‘scrttts’は今の耳で聴くと何だかNewAge調にも聴こえるシンセレイヤーと細やかな電子エフェクト、やはり遠くで聴こえる弦楽器の爪弾きがよいスパイスになって、Psychedelicなサウンドスケープ、M-6‘nort’は水の上で乾いた木片がぶつかり合うような、コロコロした効果音が始終鳴り響く中で、弦楽器が錯綜しつつ、終了。

即興演奏(決してそれが主ではないけれど)と自然のイメージってのは相性がよろしいようで、留まることをせず絶えず変化し続ける自然(この場合は“山”ですね)のありさまにアプローチする音楽的手法としては有効なんだなあと、何となくですが思いました。先にも書いたように決して聴きやすいサウンドではないんですが、テンションの感じられる、面白い作品だと思います。


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